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社説でまなぶ時事英語

「時事英語を学びたい!でも英字新聞を毎日読む時間なんてない!」 そんなあなたのための、一日一記事 ・5分で身につく時事英語。日本語の新聞社説とその英語版を読み比べ、時事英単語&使える日英表現をまとめています。

核の先制不使用 ~「核なき世界」は実現するのか?~

国際 安全保障 米国

おはようございます。RIEです。

今日のテーマは、「核の先制不使用 ~「核なき世界」は実現するのか?~」です。

 

  

社説を読む前に、「核の先制不使用」について、今一度、確認してみますね。

 

ちょうど8月16日の毎日新聞解説がありましたので、引用させていただきます。

 

「核兵器の先制不使用」とは…

 核保有国が、他国から核攻撃を受ける前に先に核兵器を使わないこと。

核兵器の役割を他国からの核攻撃脅威を抑止することに限定する。核兵器を使用するハードルが高くなり、核軍縮への理念的な一歩と見なされる。

核保有国同士の約束の側面が強い。核拡散防止条約(NPT)で核兵器保有が認められている5カ国の中では現在、中国のみが宣言している。

 

 

なお、「先制不使用」をめぐる近年の流れ等については、以下に簡潔に書かれています。

 

 

 

「核の先制不使用」の概要がわかったところで、今日は、毎日新聞の社説を読んでいきましょう^^

 

 

 

☆今日の社説

・毎日新聞 2016年8月20日社説

 「核の先制不使用 理念の後押しが必要だ」

 

 ・The Mainichi 毎日新聞英文サイト (上記社説の英訳)

”Japan should embrace Pres. Obama's move to no first use of atomic arms”

 



 

 

☆内容ポイント

・米国のオバマ大統領が核兵器の「先制不使用」宣言を検討しているという。実現すれば米核政策の大転換となり、また、米国の意図を誤解したことによる偶発的な核戦争が起きる危険性が格段に小さくなる。

 

・核軍縮の国際委員会でも「すべての核保有国が先制不使用を宣言すべきだ」と提言しており、核の先制不使用は国際的な世論である。

 

・米国の「核の傘」を安全保障の柱としており、現在も核の脅威にさらされる日本は、米側に懸念を表明したという。しかし、核保有5カ国が核の先制不使用に合意すれば、核戦争のリスクは格段に下がり、北朝鮮への圧力ともなるだろう。日本は唯一の被爆国として、オバマ氏とともに核の先制不使用につながる環境配備に力を尽くすべきである。

 

 

 

☆単語メモ

  • 核の先制不使用   - no first use of atomic arms / a "no first use" policy for nuclear weapons / no first use of nuclear weapons / abandon first use of nuclear weapons
  • 偶発的な核戦争   - an accidental outbreak of nuclear war
  • 共同声明を発表する   - issue a joint statement 
  • アジア太平洋の米国の同盟国   - U.S. allies in Asia
  • 核軍縮の国際委員会   - the International Commission on Nuclear Non-proliferation and Disarmament 
  • (両氏を)共同議長とする   - co-chaired by ... and ... 
  • 経過措置   - a transitional measure 
  • 核戦力を強化する   - upgrade one's nuclear arsenals
  • (~による)核の脅威にさらされる   - face a nuclear threat (posed by...) 
  • 米国の「核の傘」   - the U.S. nuclear umbrella 
  • 北朝鮮への抑止力   - the country's deterrent against North Korea
  • オバマ政権の主要閣僚   - key members of the Obama administration
  • 唯一の被爆国   - the world's only atomic-bombed nation
  • 核廃絶に向けた新たな動き    - fresh moves toward nuclear disarmament
  • ブレーキをかける    - slam the brakes on ... 
  • 「核なき世界」   - a world without nuclear weapons 
  • 国連安保理常任理事国   - permanent members of the U.N. Security Council
  • 核保有5カ国   - the five official nuclear powers 
  • リスクは格段に下がる   - drastically reduce the risks of ... 
  • 通常戦力   - conventional weapons 
  • 抑止力を維持する   - maintain its deterrent force 
  • 「核兵器依存」   - reliance on its atomic arsenal
  • ~につながる環境整備   - create an environment leading to 

 

 

  

☆今日の使える表現

 

・~の大転換になる   - represent a drastic change in...

相手が核攻撃をしてこない限り核兵器を使わない政策で、実現すれば米核政策の大転換になる。 

If realized, it would represent a drastic change in Washington's nuclear policy.

 

 

・~は国際的な世論だ   - ... is supported by international opinion 

核の先制不使用は国際的な世論だ

No first use is now supported by international opinion.

 

 

・~と~に折り合いをつける   - achieve a balance between ... and ...

問題は、「核なき世界」を掲げるオバマ氏の構想、核の脅威に対する抑止力を維持するという現実、どう折り合いをつけるかだ。

The question is how to achieve a balance between Obama's pursuit of a world without nuclear weapons and maintaining deterrent against nuclear threats.

 

 

・~かどうか疑問が残る   - Questions remain as to whether ...

仮に米中が合意して宣言しても日本の安全が守られるか疑問が残るが、…

Questions remain as to whether Japan's security could be protected if only the U.S. and China make such a pledge through an agreement. 

 

 

 

 

☆安倍首相の反論について

 

社説を読まれた方はご承知だと思いますが、今回の社説文中に、次のような箇所がありました。

 

米紙ワシントン・ポストによると、核の先制不使用について、安倍晋三首相は北朝鮮への抑止力が低下すると米側に懸念を伝えたという。

 

 

しかし、このワシントン・ポスト紙の報道について、その後、安倍首相は「核の先制不使用についてのやりとりは全くなかった。どうしてこんな報道になるのか分からない」と、全面的に否定しています。

 

詳細はこちら。

 

 

ちなみに、ここで問題になっている「ワシントン・ポスト紙の報道」というのは、以下の記事のことかと思われます。

 

下記は同記事よりの抜粋ですが、たしかに、「ハリス米太平洋軍司令官に反対の意向を伝えた」と書いてますね~。

Japanese Prime Minister Shinzo Abe personally conveyed that message recently to Adm. Harry Harris Jr., the head of U.S. Pacific Command, according to two government officials.

 

 

 

うーん、なんだか、「言った、言わない」の水掛け論になりそうな予感が。。

どう決着がつくのか、今後も注視していきましょう。

 

 

 

 ☆補足(核兵器禁止条約関連)

この社説が毎日新聞に掲載されたのは8月20日ですが、ちょうど同じころ、核軍縮問題に関して新たな動きがありましたので、少々補足しておきます。

 

8月19日(日本時間20日)、スイス・ジュネーブで開かれた国連核軍縮作業部会にて、核兵器禁止条約の締結交渉を2017年中に開始するよう国連総会に勧告する報告書が採択されました。

 

賛成68、反対22、棄権13の賛成多数だったそうですが、「核の傘」に入っている国は、おおむね反対を表明したようです。

豪州、韓国、ドイツなどは反対、日本は「時期尚早」として、スイスやスウェーデンなどとともに棄権しました。

なお、米露英仏中などの核保有国は、核軍縮作業部会そのものに参加していません。

 

 

詳細は、以下の記事をご参照ください。

 

関連の英文記事も貼り付けておきますね。

 

 

 

「核の先制不使用」、「核兵器禁止条約」など、どれも核廃絶に向けた大きなステップに思えるのですが、様々な国の思惑がからみ、一筋縄にはいかないものですね。

 

とにかく、一歩ずつでも、「核兵器のない世界」に近づいていけますように。

 

 

今日は以上です。

皆さん、良い一日をお過ごしくださいね。

 

 

 

 

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