社説でまなぶ時事英語

「時事英語を学びたい!でも英字新聞を毎日読む時間なんてない!」 そんなあなたのための、一日一記事 ・5分で身につく時事英語。日本語の新聞社説とその英語版を読み比べ、時事英単語&使える日英表現をまとめています。

リオ五輪 「世界中の難民と希望の代表として戦う」難民選手団

こんにちは。RIEです。

今日のテーマは、「リオ五輪 難民選手団 」です。

 

ますます盛り上がってますね、リオ五輪!

日本チームも快進撃のようで、「日本でその熱気を味わいたかった~」と、PCの前で一人悔しがっています。

 

 

ここシンガポールでも、同国51年の歴史上、初の五輪金メダリストが誕生しました!

競泳男子100メートルバタフライのジョセフ・スクーリングさん。

21歳と若い彼ですが、一躍、国の英雄になりました。


 

 

勝敗の行方もさることながら、様々な人生ドラマが垣間見られるのが、五輪の面白いところです。

 

人生といえば、命の危険や家族との別離という、辛く重いものを背負いながら出場したのが、今回の五輪で始めて結成された「難民選手団」の皆さんです。

 

 

五輪をご覧になっている方なら、もうお馴染みなのではないでしょうか。

 

念のため、Wikipedia のページより、説明を抜粋しますね。

  • 「難民となり母国から出場ができない選手で構成された複数地域の混合チーム。同難民選手団は全10名で、出自はシリアやコンゴ民主共和国、エチオピア、南スーダンと様々で、内戦や政情不安などで他国に逃れた経緯がある」

 

 

 

本日は、同選手団について書かれた、毎日新聞の社説を読んでいきます。

 

なお、今日のタイトルの「世界中の難民と希望の代表として戦う」というのは、選手の一人、女子競泳のユスラ・マルディニさんの言葉です。

 

 

 

 ☆今日の社説

・毎日新聞 2016年8月13日社説

 「リオ難民チーム 夢舞台から問いかける」

 

 ・The Mainichi 毎日新聞英文サイト (上記社説の英訳)

”Refugee athletes in Rio raise awareness about realities of world”

 

  

 

☆内容ポイント

・リオデジャネイロ五輪では、五輪史上初めての試みとして「難民選手団」が結成された。苦難を乗り越えて参加した10人の選手たちに心から声援を送りたい。彼らの存在は、現在6500万人を超える難民や国内避難民を勇気づけるだろう。

 

・難民チームの選手は水泳、柔道、陸上などに参加し、観客から温かい声援を受けている。彼らには代表する国がないが、五輪憲章に「(五輪は)選手間の競争であり、国家間の競争ではない」とあるように、特定の国ではなく「世界中の難民と希望の代表として戦う」という姿勢は五輪精神の原点とも言えるだろう。

 

・難民チームの存在は、世界の厳しい現実の反映でもあり、私たちも重い問いかけとして受け止める必要がある。4年後の東京五輪で、難民選手が祖国の代表として参加できるになるには何をすべきか。五輪を通じて皆で考える機会にしたい。

 

 

 

☆単語メモ

  • 「難民選手団」   - "Refugee Olympic Team (ROT)" 
  • 国旗も国歌もない   - no national flags or anthems 
  • 五輪史上初   - for the first time in Olympic history,
  • 戦乱で故郷を追われ   - be driven out of their war-ravaged countries 
  • 国内避難民   - internally displaced people
  • 一握りの   - just a handful of ...
  • 国際オリンピック委員会(IOC)   - the International Olympic Committee (IOC)
  • 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)   - the United Nations High Commissioner for Refugees
  • ~との協力で   - in conjunction with...
  • 40人余りのスポーツ選手   - 40-plus athletes 
  • 内戦下のシリア   - civil war-torn Syria
  • エーゲ海   - the Aegean Sea 
  • 予選   - preliminary heat 
  • タイム順では全体の41位    - ”her time placed her 41st overall”
  • 準決勝進出   - reach the semifinals 
  • 観客の温かい拍手を受ける   - receive warm applause from spectators 
  • コンゴ共和国の内戦下で    - the war-torn Democratic Republic of the Congo 
  • 2人の柔道選手   - two judoka 
  • 南スーダン   - South Sudan
  • 五輪憲章   - the Olympic Charter 
  • 1994年のリレハンメル冬季五輪   - the Lillehammer Winter Olympics in 1994
  • シリアの内戦   - the civil war in Syria 
  • 東京五輪    - the 2020 Tokyo Games
  • 祖国の代表   - representatives of their countries of origin 
  • 五輪を通じて   - during and after the Rio Games

 

 

☆今日の使える表現

 

・~に心から声援を送る   - send hearty cheers to ...

戦乱で故郷を追われ、苦難を乗り越えて夢の舞台に立った10人の選手たちに心から声援を送りたい。 

We hereby send hearty cheers to the 10 ROT members, who are living their dreams after being driven out of their war-ravaged countries and experiencing many difficulties.

 

 

・「その思いは複雑だろう」   - "They may well be harboring mixed feelings."

だが難民チームの選手には代表する国がない。その思いは複雑だろう

Since ROT athletes have no countries to represent, they may well be harboring mixed feelings. 

 

 

・五輪精神の原点   - represent the very origin of the Olympic spirit

 特定の国ではなく、「世界中の難民と希望の代表として戦う」(マルディニさん)という姿勢は五輪精神の原点とも言えるのではないだろうか。

Mardini's pledge to compete as a representative of refugees around the world, not of a specific country, may represent the very origin of the Olympic spirit.

 

 

・~は増え続けてきた。   - The number of ... has been on the rise.

 1994年のリレハンメル冬季五輪以来、五輪のたびに国連などが休戦を呼びかけてきたが、紛争は繰り返され、難民は増え続けてきた

 Ever since the Lillehammer Winter Olympics in 1994, the United Nations and other organizations have called for cease-fires every time the Games were held, but wars continued and the number of refugees has been on the rise

 

 

 

☆より詳しく知りたい方へ(UNHCRのウェブサイト)

 

今日は、「難民選手団」についてでした。

 

同選手団について、より詳しく知りたい方は、以下のUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のウェブサイトがおすすめです。

 

 

10人の選手それぞれのプロフィールやインタビュー動画もあります。

 

 

 

☆過去記事紹介 

 

難民選手団については、先日の当ブログ「今週のレビュー」でも、関連の英文記事を載せました。

よろしければ合わせてご覧ください^^


 

リオ五輪関連としては、こちらの過去記事もあります。

 

 

 

本日の社説は以上です。

 

今日はどんなドラマが生まれるのでしょうか。楽しみですね^^

皆さん、良い一日をお過ごしください。

 

 

 

 

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