社説でまなぶ時事英語

「時事英語を学びたい!でも英字新聞を毎日読む時間なんてない!」 そんなあなたのための、一日一記事 ・5分で身につく時事英語。日本語の新聞社説とその英語版を読み比べ、時事英単語&使える日英表現をまとめています。

フィリピン・ドゥテルテ大統領、来日☆

おはようございます。RIEです。

今日のテーマは、「フィリピン・ドゥテルテ大統領、来日」です。

 

 

 

いきなりですが、私にとって、時事問題に触れる楽しみの一つに、「国際政治の登場人物が面白い!」ということがあります。

 

外交の舞台には、日本の戦国時代もかくやと思わせる、強烈なキャラクターを持った人物が次々と登場します。そろいもそろって、「できれば周りにいてほしくない…」と思ってしまうような、パワフルかつ狡猾そうな方々です(褒めてます)。

 

彼らの言動やエピソードは、ときに凡人の予想もつかないもので、みていて実に飽きません。

そして、きっと裏ではさまざまな権謀術数が渦巻いているのでしょうね。

いつも新聞や各種メディアをみながら、世界の片隅でそんなことをあれこれ想像している私です。

(平和な場所から見物していられるということですから、幸せなことですよね。。)

 

 

 

そんな国際政治の舞台に、またまた「濃いキャラクター部門」の新星が現れました!

フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領です。

みなさん、きっとすでにご存じですね^^

 

 

長くなるので詳細は省きますが、このような人物です。

噂ではなかなかの親日家だとか^^


 

 

そのドゥテルテ大統領、10月25日から27日にかけて来日し、安倍総理や岸田外相と会談を行いました。

とくに注目を集めていたのが、その直前(18~21日)に中国を訪問したばかりの同氏が、南シナ海問題でどのような立場をとるかということです。


 

 

米国嫌いでオバマ大統領に暴言を吐き続けたと思えば、日本から戻った後、「飛行機で神のお告げがあったので暴言辞める(でも状況による)」宣言をしてみたり、話題に事欠かないドゥテルテ大統領。

その一方で、非常に緻密な外交手腕を持つ政治家という評価もあるようです。

 

 

 

とにかく一筋縄にはいかない人物のようですが、今回の日本訪問ではどのような成果がうまれたのでしょうか。

一緒に社説をみていきましょう。今日は毎日新聞サイトからお借りしました。

 

 

 

 ☆今日の社説

・毎日新聞 2016年10月28日社説

 「日比首脳会談 一定の成果はあったが」

 

 ・The Mainichi 毎日新聞英文サイト (上記社説の英訳)

”Abe should patiently engage with Duterte”

 


 

 

 

☆内容ポイント 

 ・フィリピンのドゥテルテ大統領が来日し、安倍首相と会談した。乱暴な言動で注目を集めるドゥテルテ氏の実像を見極めるのは容易ではない。

 

・南シナ海問題に関し、両首脳は平和的解決へ向けた連携で一致。共同声明では「自制と非軍事化の重要性」を強調した。 中国の権益主張を退けた仲裁裁判所の判決を重視する日本に対し、ドゥテルテ氏が一定の配慮をしたといえる。判決について、同氏は訪中時は触れず、日本では強調したが、そのような対応は日中双方に不信感を抱かせる。同氏には「法の支配」重視を明確に打ちだしてもらいたい。

 

・ドゥテルテ氏の米国との向き合い方も注目された。日米比の協力は南シナ海での日本の安保政策の基本であり、米比関係は日本にも大きな影響がある。首相は、東アジアにおける米国の重要性を強調したというが、同氏は都内講演会でフィリピンからの米軍撤退を求める姿勢を示すなど、両者の認識は明らかに食い違っている。歴史的事情が絡むとしても、ことさらに反米を振りかざす態度は行き過ぎである。日本は両国の橋渡しをしていきたい。

 

・同氏の強権的な麻薬対策については、首相は人権問題には触れぬまま、麻薬常習者の更生支援を申し出た。国際社会に日本の人権感覚を疑われかねない対応である。日本は粘り強く対話し、懸念を伝える努力をすべきである。 

 

 

  

 

☆単語メモ

  • フィリピンのドゥテルテ大統領   - Philippine President Rodrigo Duterte 
  • 乱暴な言動   - abusive words and deeds
  • ~で注目を集める   - draw worldwide attention for ... 
  • 南シナ海問題の平和的解決   - a peaceful settlement to issues in the South China Sea
  • 「(仲裁裁判所の)判決」   - an international arbitration tribunal ruling 
  • 2国間協議再開   - to resume bilateral talks 
  • 共同声明   - a joint statement 
  • 中国による埋め立て   - China's reclamation of reefs in the South China Sea 
  • ~を念頭に   - with ... in mind 
  • 「自制と非軍事化の重要性」  - the importance of self-restraint and demilitarization
  • 棚上げする  - shelve
  • ~を重視する    - attache importance to ... 
  • 「法の支配」  - rule by law
  • 注目を集める  - draw particular attention 
  • 米国との向き合い方   - attitude toward the United States 
  • 日米比の緊密な協力   - close cooperation between Japan, the United States and the Philippines
  • 日本の安保政策の基本   - the core of Japan's security policy 
  • 大統領報道官   - a press secretary to the president
  • 日本記者クラブ   - the Japan National Press Club
  • 「国家の尊厳」   - the dignity of his country
  • ~を植民地支配する   - continue its colonial rule of ... 
  • 従属的立場   - a subordinate position
  • ~へ反発する   - harbor ill feelings toward ... 
  • ことさらに反米を振りかざす   - blatantly demonstrate anti-U.S. sentiment
  • 感情的対立に陥る   - develop into an emotional standoff
  • 橋渡しをする   - bridge the gap (between ... and ...)
  • 麻薬対策   - countermeasures against illegal drugs 
  • 裁判抜きで   - without a trial
  • 容疑者数千人を殺害する   - kill thousands of suspects
  • 法治国家    - a law-governed country 
  • 麻薬常習者の更生支援   - to help rehabilitate drug addicts 
  • (~からの)強い反発をさける   - avoid a backlash from ...
  • 日本の人権感覚    - Japan's sensitivity to human rights
  • (~についての)懸念を伝える   - convey one's concerns about ...

 

 

 

 

☆今日の使える表現

・~の実像を見極める   - grasp the true nature of ...

乱暴な言動で注目を集めるドゥテルテ氏の実像を見極めるのは簡単ではない。

Duterte's three-day official visit has reminded the public that it is no easy task to grasp the true nature of the president, who has drawn worldwide attention for his abusive words and deeds.

 

 

・~に触れない(言及しない) - make no mention of ... 

中国の習近平国家主席との会談で発表された共同声明は、判決に触れていなかった

However, a joint statement released at the summit between Duterte and his Chinese counterpart Xi Jinping makes no mention of the international arbitration tribunal's ruling, …

 

 

・~の立場に配慮する   - show consideration to one's position 

ドゥテルテ氏は今回、中国の権益主張を退けた7月の仲裁判決を重視する日本の立場に配慮したようだ。

In Japan, Duterte apparently showed consideration to Japan's position with his reference to the ruling.

 

 

・~に不信感を抱かせる   - invite distrust from ... 

ただ、判決に対して「紙くず」と反発する中国で言及せず、日本では強調するという対応は、日中双方に不信感を抱かせる。 

But avoiding mention of the ruling, which China has rejected as "waste paper," while he was in China and emphasizing in Japan that the Philippines will hold consultations with China based only on the ruling could invite distrust from both Tokyo and Beijing.

 

 

 

 

 

☆南シナ海問題について(当ブログ過去記事)

今回の来日における大きな焦点の一つ、「南シナ海問題」について、ご参考までに当ブログの過去記事を貼っておきます。よかったらあわせてご覧ください。

 

 

なんと、現時点でパート3まであります。

今後もまだまだ続きそうな予感。。

 

  

 

 

☆関連英文記事

関連の英文記事も貼っておきますね。

 

・Reuters(動画あり)


・The Wall Street Journal

  

 

 

 

訪中、訪日を終え、今後、ドゥテルテ大統領はどう動くのでしょうか。

そして、宣言通り、暴言も封印されるのでしょうか。

まだまだ世を騒がせそうな同氏、今後もひっそりチェックしていこうと思います^^

 

 

今日は以上です。

皆さん、良い一日をお過ごしくださいね♪

 

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