おはようございます。RIEです。
今日のテーマは、「OPEC、8年ぶりに原油減産合意」です。
9月28日、石油輸出国機構(OPEC)はアルジェリアで臨時総会を開き、原油の協調減産で合意しました。OPECの減産合意は、2008年以来、約8年ぶりとなります。
とはいえ、生産量の割り当てなど調整が難航しそうな具体策は、11月末の総会に先送りとのこと。それぞれ個性の強い産油国、まとめるのは容易ではなさそうですね。。
詳細は、以下のリンクをご覧ください。
今日は読売新聞の社説からです。
読売新聞社のサイトでは、残念ながら、社説は一定期間(約二週間)後にリンク切れとなります。ご注意ください。
☆今日の社説
・読売新聞 2016年10月1日社説
「OPEC合意 原油減産を相場安定の契機に」
・The Japan News (上記社説の英訳)
”Use OPEC accord on trimming output to stabilize crude oil prices”
* リンク切れになりました。
☆内容ポイント
・石油輸出国機構(OPEC)が、原油の減産で8年ぶりに合意した。供給量を抑えることで、原油価格の低迷に歯止めをかけるのが狙いである。これまで相場の維持よりもシェア拡大を優先し、増産基調にあったOPECの大きな路線転換と言える。
・原油価格は2014年半ばまで高値圏にあったが、新興国経済の減速を背景に需要が低迷し、相場は急落した。原油価格は金融市場や株式市場への影響が大きく、行き過ぎた原油安は世界経済の大きなリスク要因となる。
・11月のOPEC総会で国別産出量を調整する方向だが、サウジとイランの根深い対立が懸念材料である。また、シェールオイル開発により米国がサウジとならぶ産油国となるなど、現在のOPECはかつてほどの価格決定力がなく、非OPEC産油国への目配りも必要となる。OPECは原油価格の安定に向け、世界有数の産油国であるロシアなど、諸外国との連携強化に努めなくてはならない。
☆単語メモ
- 石油輸出国機構(OPEC) - the Organization of Petroleum Exporting Countries
- 原油 - crude oil
- OPEC合意 - OPEC accord
- 原油を減産する - curtail oil production
- 供給量を抑える - curb oil supply volume
- 原油価格 - crude oil prices
- (~の)低迷に歯止めをかける - end sluggishness (in ...)
- (~の)乱高下 - wild fluctuations (in ...)
- OPEC原油生産量 - OPEC’s daily crude oil output
- 3324万バレル - 33.24 million barrels
- 3250万~3300万バレル - between 32.5 million and 33.0 million barrels.
- 相場の維持 - maintaining the price level
- シェア(市場占有率)拡大 - the expansion of its market share
- 増産基調にある - be aimed at increasing output
- (~の)大きな路線転換 - mark a major shift (in ...)
- 1バレル=100ドル前後の高値圏にある - be high at about $100 per barrel
- 急落する - plummet
- 26ドル台と12年ぶりの安値となる - "Prices plunged to a 12-year low at the $26-plus level ..."
- 40ドル台で推移する - hover at the $40-plus level
- 原油安 - low crude oil prices
- 原油の消費国 - oil-consuming countries
- ~にとってプラスとなる - be advantageous to ...
- 産油国 - oil-producing nations
- 財政悪化 - worsening fiscal conditions
- オイルマネーの流出 - the flight of oil money
- 年明け以降 - since the turn of the year
- 行き過ぎた原油安 - excessively low crude prices
- 産油国と消費国 - oil-producing and oil-consuming countries
- OPECの盟主であるサウジ - OPEC leader Saudi Arabia
- 大生産国のイラン - Iran, a large oil producer
- ~する意欲が強い - have a strong desire to ...
- 大幅な減産 - a huge production cut
- 国別産出量 - production quotas for OPEC member nations
- 政治的に鋭く対立する - be sharply at odds with each other politically
- 折り合う - come to terms
- 価格決定力 - the influential power to decide prices
- 非OPECの産油国 - non-OPEC oil-producing countries
- ~への目配り - keep an eye on ...
- シェールオイル - shale oil
- 岩盤に染み込んだ原油 - crude oil that has seeped into bedrock
- 高い採掘コスト - high pumping costs
- 相場が持ち直せば - If the prices recover
- (シェールオイルの)供給量 - the shale oil supply volume
- (原油の)値崩れを招く - cause a drop in (crude) prices
- 世界有数の産油国であるロシア - major producer Russia
- 連携を強化する - bolster cooperation with ...
☆今日の使える表現
・しっかりと足並みをそろえて~する - keep in step with each other to ...
OPEC各国がしっかりと足並みをそろえ、原油相場の乱高下を防ぐことが重要だ。
It is essential that OPEC members keep in step with each other to prevent wild fluctuations in crude oil prices.
・(~の)動きが強まる - become more conspicuous
しかし、産油国の財政悪化などでオイルマネーが金融市場から流出する動きが強まっている。
But due to factors including worsening fiscal conditions in oil-producing nations, the flight of oil money from financial markets has become more conspicuous.
・~と~の対立が根深い - the deep-seated antagonism between
気がかりなのは、OPECの盟主であるサウジと、大生産国のイランの対立が根深いことだ。
The deep-seated antagonism between OPEC leader Saudi Arabia and Iran, a large oil producer, is concerning.
・~かどうか、予断を許さない - It remains unpredictable whether ...
11月末の総会で国別産出量を調整する方向だが、政治的に鋭く対立する両国が折り合えるかどうか、予断を許さない。
It remains unpredictable whether Saudi Arabia and Iran, which are sharply at odds with each other politically, will be able to come to terms.
☆OPECについて
当ブログには初めて登場したOPEC。
正式名称は、「石油輸出国機構(OPEC)」です。
学生時代に習った、テストに出た、という方も多いのではないでしょうか。
公式サイトはこちらです。
2016年10月時点の加盟国は、以下の14カ国です(上記サイト参照)。
アルジェリア、アンゴラ、エクアドル、ガボン、インドネシア、イラン、イラク、クウェート、リビア、ナイジェリア、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、ベネズエラ
OPECの設立された目的や経緯などについては、以下の外務省サイトをご参照ください。
石油輸出国機構(OPEC:Organization of the Petroleum Exporting Countries)の概要 | 外務省
ちなみに、OAPECという機構もありますが、こちらは「アラブ石油輸出国機構(Organization of the Arab Petroleum Exporting Countries)。
アラブ世界の産油国が、石油事業促進を目的として結成した国際機構ですので、お間違えなきように~。
☆関連記事
今回のOPEC減産合意に関して、関連記事をいくつかご紹介します。
まずは、「この機会に”OPEC”や”シェールオイル”について再確認したい!」という方へ、日本語記事をご紹介します。短めですが、簡潔でわかりやすいかと。
また、社説の内容に関連した英文記事もいくつか貼っておきますね。
(最近はすっかり「週末のレビュー」を書いてないですね^^;)
・Fortune(英語動画あり)
・Reuters(英語動画あり)
ところで!
動画をご覧になった方は気づかれたかもしれませんが、OPECの発音が…!
私は今まで、OPECは「オペック」と読んでいました。
英語でOPECについて語る機会もなかったので、とくに疑問も持たなかったのですが、英語読みだと、むしろ「オウペク」なのですね!
発音記号も、アメリカ英語発音では[
軽くショックでした…。
今回の原油減産合意に関しては、11月のOPEC総会で動きがあれば、ぜひフォローアップしたいと思います。
新聞各社様、社説の方、お待ちしております(対訳も!)^^
今日は以上です。
皆さん、良い一日をお過ごしくださいね。
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