社説でまなぶ時事英語

「時事英語を学びたい!でも英字新聞を毎日読む時間なんてない!」 そんなあなたのための、一日一記事 ・5分で身につく時事英語。日本語の新聞社説とその英語版を読み比べ、時事英単語&使える日英表現をまとめています。

深刻です!海洋ごみ問題

おはようございます。RIEです。

今日のテーマは、「海洋ごみ汚染」についてです。

 

先日(8月26日)の読売問題の社説で、海洋ごみの問題が取り上げられていました。

 

「なぜいきなり海洋ごみ?」とちらりと思ったのですが、読み進めていくと、私が想像した以上に深刻な問題であることがわかりました。

 

 

今年5月に富山市で行われた先進7か国(G7)環境省会合でも、気候変動、生物多様性などと並び、7つの議題の一つとして討議されたようです。

詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

「海洋ごみ」が何を指すのかについては、上記サイトからの説明を抜粋しますね。

海洋ゴミとは、海に浮遊するプラスチックごみ及び、マイクロプラスチック等を指します。
プラスチックゴミは生物によって分解されにくいため、海洋を長く漂流します。また主にプラスチックごみから派生したマイクロプラスチックは、海洋生物等に取り込まれ、海洋生態系に脅威を与えています。

 

 

 

海岸にごみが増えて困ります、どころの話ではなかったのですね。。

こうして今まで知らなかったことに触れられるのが、日々社説を読む楽しみの一つです。

 

皆さんはこの問題をすでにご存じかもしれませんが、今日は日英対訳と合わせて一緒に社説を読んでいきましょう^^

 

 

 

今日は読売新聞の社説からです。

読売新聞社のサイトでは、残念ながら、社説は一定期間(約二週間)後にリンク切れとなります。ご注意ください。

 

 

 ☆今日の社説

・読売新聞 2016年8月26日社説

 「海洋ごみ汚染 国際連携で拡散を防止したい」

 

 ・The Japan News (上記社説の英訳)

”International cooperation needed to prevent spread of marine garbage”

 

 *リンク切れになりました。

 

 

 

☆内容ポイント

・海洋の環境汚染につながるプラスチックごみを減らすために、国際連携の輪を広げたい。各地の海岸で漂着ゴミの量が増加しているが、その大半はプラスチック製品であり、中国・韓国など海外から漂着するものも多い。

 

・海洋ごみの総量の抑制には、プラスチック製品の使用減や再利用、ポイ捨て防止などを世界的に徹底することが不可欠である。5月のG7環境省会合でも、この問題に関する国際協力の推進が確認された。各国間の情報交換や調査研究、共同清掃実施などの対策の拡大が求められる。

 

・とくに、大きさが5ミリ以下の「マイクロプラスチック」の増加が深刻化している。海洋生物の繁殖や人体への影響が懸念されるが、すでに地球全体に広がっており回収はほぼ不可能とされる。この分野の研究は、日欧米が先行している。日本は経験を生かし、対策の基盤作りをリードしたい。

 

 

 

☆単語メモ

海洋ごみ  - marine garbage

海洋の環境   - the marine environment

プラスチックごみ   - plastic trash / plastic litter

国際連携の輪   - the circle of international cooperation 

海岸に流れ着く   - drift ashore 

回収される   - be retrieved 

環境省   - the Environment Ministry 

漂着ごみ   - trash washed ashore

海水浴シーズンの前後   - before and after the summer swimming season 

(海岸の)清掃   - beach clean-ups

ペットボトル   - PET bottles

洗剤の容器   - detergent containers

内陸で投げ捨てられる   - be thrown away inland

川から海に流れ込む    - be swept to the sea by rivers

九州や本州の日本海側    - along the Sea of Japan coast of Kyushu and Honshu 

プラスチック製品の使用減    - reducing the use of plastic products

再利用   - recycling

ポイ捨て防止    - campaigns to discourage people from littering

世界のプラスチック生産量   - global plastic production 

海に流出する   - end up in the ocean 

先進7か国(G7)環境相会合   - the meeting of environment ministers from the Group of Seven advanced nations 

海洋汚染    - marine pollution

実態調査   - fact-finding surveys

海岸清掃の共同実施   - jointly conduct coastline clean-ups

海岸の景観を損ねる   - spoil the natural scenery of the coastline

(ごみが)水産物に混ざる   - become mixed in with marine products

商品価値を下げる  - lower one's commercial value

漁網を破損する   - damage fishing nets 

誤ってのみ込む   - accidentally swallow 

「マイクロプラスチック」  - microplastics 

大きさが5ミリ以下の - 5 millimeters in size or smaller

太陽光の紫外線   - ultraviolet rays from sunlight

波の力    - abrasive wave action

細かく砕かれる   - be broken into small fragments 

より小さな生物   - smaller living creatures

カタクチイワシ    - Japanese anchovy

海底にすむ貝   - shellfish living on the seabed

PCB(ポリ塩化ビフェニール)  - polychlorinated biphenyl (PCB). 

有害物質を吸収する   - adsorb toxic substances 

食物連鎖の中で蓄積される   - accumulate in the food chain

海洋生物の繁殖   - the breeding of marine life

 

※「海洋ごみ」は、上記の"marine garbage"のほか、"marine trash"、"marine litter" などの言い方があるようです。

 

 

☆今日の使える表現

 

・~との試算もある   - Some calculations say ...

 中国や東南アジア諸国などが上位を占めるとの試算もある

Some calculations say China and countries in Southeast Asia are among the main sources of this garbage.

 

 

・~も要注意だ   - We should also be wary of ...

PCB(ポリ塩化ビフェニール)などの有害物質を吸着する性質も要注意だ。

We should also be wary of microplastics’ tendency to adsorb toxic substances such as polychlorinated biphenyl (PCB).

 

 

・(...は) ~が先行している   -  be at the forefront (of ...)

マイクロプラスチックの研究日米欧が先行している

Japan, the United States and Europe are at the forefront of research into microplastics.

 

 

・経験を生かし、~をリードする   - use one's experience and take the lead in...ing

日本は経験を生かし、対策の基盤作りをリードしたい。

Japan should use its experience and take the lead in creating a base for measures to combat microplastics.

 

  

 

☆2016年5月のG7環境相会合@富山について

 

冒頭でも少し触れましたが、5月のG7環境相会合について。

この会議で海洋ごみ問題が討議されたことに触れている記事がありました。

 

以下、上記記事の抜粋です。

 

プラスチックごみは海の生物に物理的損傷を与えるだけではない。より懸念されるのは、マイクロプラスチックに吸着した有害化学物質が海の生物の体内に蓄積される状況である。今後、対策が強化されるのは必至であり、これもパーソナル・ケア、タイヤ、塗料、衣料品などの日本企業に大きな影響をもたらすだろう。

 

環境・生態系への脅威が注目を集めている海洋ごみ問題ですが、今後は、産業界にも影響を及ぼしてきそうですね。

 

 

 

☆自分に何ができるのか?

せっかく社説を読んで知識を得たのに、ここで終わらせるのはもったいない。

海洋ごみ問題に対して、私たち一人一人には何ができるのかについても、少し考えてみます。

 

 

まず、より深く知るために、この問題に取り組むNGOのサイトを貼っておきますね。どちらもかなり読み応えのあるサイトです。

 

海ごみの問題点 | 一般社団法人 JEAN

 

海洋ごみって何?|海洋ごみポータルサイト 海辺の漂着物調査ネットワーク

 

 

 

さらに、G7会合の舞台となった富山県は、「海岸に流れ着くごみを減らしていくために 私たちにできること」という資料をインターネット上で公開しています。

 

この資料によると、私たちにできるのは、以下のような行動だそうです。

  1. 日常生活で出るごみの量を減らそう[リデュース]
  2. 繰り返し使える物であれば、再使用しよう[リユース]
  3. 使い終えた物は、できるだけ再生利用しよう[リサイクル]
  4. 海や山や川にごみを捨てない、捨てさせない
  5. 海岸や河川の清掃イベントに参加しよう

 

なるほど。。日常の心がけも大事なのですね。

リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)の「3R」など、自分にできることをコツコツやっていこうと思います! 

 

 

 

 

今日は以上です。

皆さん、良い一日をお過ごしください。

 

 

 

 

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