社説でまなぶ時事英語

「時事英語を学びたい!でも英字新聞を毎日読む時間なんてない!」 そんなあなたのための、一日一記事 ・5分で身につく時事英語。日本語の新聞社説とその英語版を読み比べ、時事英単語&使える日英表現をまとめています。

外国人技能実習制度 ~国際貢献か、労働力確保か?~

こんにちは。RIEです。

実は私、昨日、シンガポールマラソンに参加してきました。

走りましたよ、10キロ!(フルは無理!)

 

毎年、このマラソンイベントが開催されると、いよいよ年末に近づいたという感じがします。

常夏の国ながら、クリスマスのデコレーションもあちこちに飾られ、華やいだ雰囲気になってきました。

日本もきっと盛り上がっているのではないでしょうか^^

 

 

さて、前回、当ブログでは、訪日外国人観光客の急増についての社説を読みました。

日本にもっと外国人観光客を呼び込もう!という明るい話題でしたね。

 

今回の記事も、日本への外国人受け入れについてですが、少し趣が違います。

「観光客(=お客様)」ではなく、「仕事をするために来日する人々」のお話です。

 

今日のテーマは、「外国人技能実習制度 ~国際貢献か、労働力の確保か?~」です。

 

 

 

先月11月28日,外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律が公布されました。

 

 

あわせて、「改正出入国管理及び難民認定法(入管法)」も改正され、外国人介護福祉士の受け入れも解禁されることになったようです。


 

「外国人技能実習制度」では、従来は農業や製造業、建設業を対象としてきましたが、今後は新たに介護分野も認めることになったそうです。

少子高齢化に伴う介護人材の不足を、外国人への門戸開放で補完しようという狙いがありありと見えますね^^;

 

  

しかし、そもそも、「外国人技能実習制度」とは、人材育成を通じて日本の技術を海外に伝えるという国際貢献が本来の目的です。

 

以下、同実習制度を統括・総合支援する「公益財団法人 国際研修協力機構」のウェブサイトから引用します。

JITCO - 公益財団法人 国際研修協力機構

 

 開発途上国等には、経済発展・産業振興の担い手となる人材の育成を行うために、先進国の進んだ技能・技術・知識(以下「技能等」という。)を修得させようとするニーズがあります。我が国では、このニーズに応えるため、諸外国の青壮年労働者を一定期間産業界に受け入れて、産業上の技能等を修得してもらう「外国人技能実習制度」という仕組みがあります。
 この制度は、技能実習生へ技能等の移転を図り、その国の経済発展を担う人材育成を目的としたもので、我が国の国際協力・国際貢献の重要な一翼を担っています。

  

  

 

しかし、導入から20年以上たち、受け入れの規模も大きくなるにつれ、賃金不払いや長時間労働といった受け入れ先による違法行為が頻繁に指摘されるようになりました。

人材養成を通じた国際貢献よりも、安価な労働力として外国人を利用しているのでは、との批判が高まっています。 (以下はその一例です。)


 

 

契約期間終了前に失踪する実習生の数も増加中とのことで、政府としてもなんらかの手を打たねばならない状況になっているようです。

 

今回の立法は、そういった流れを反映して行われました。

 

 

長くなりましたが、ではでは、社説で具体的な内容を見ていきましょう。

今日は、毎日新聞の社説をお借りしました。 

 

 

 

 ☆今日の社説

・毎日新聞 2016年11月28日社説

 「外国人実習制度 不正への対応は厳格に」

 

 ・The Mainichi 毎日新聞英文サイト (上記社説の英訳)

”Prevent abuses of foreign trainee program”

 


 

  

☆内容ポイント

 ・新興国や途上国の労働者が日本で技術を学ぶ「外国人技能実習制度」の適正化法が今国会で成立した。当制度は、人材育成を通じて日本の技術を海外に伝えるという国際貢献が本来の目的であり、現在は中国やベトナムなどから21万人以上受け入れている。

 

・しかし、賃金不払いや長時間労働といった受け入れ先による違法行為が後を絶たない。能力の養成よりも、低賃金の単純労働者として外国人を働かせるための制度になっているとの批判が強い。 

 

・今回の法律は、法務省および厚生労働省所管の認可法人「外国人技能実習機構」を創設し、労働法規違反や人権侵害行為に関して、実習先への監視を強めるのが目的である。実習生が健全な環境で技術を習得できるよう、政府は新制度を厳格に運用すべきだ。また、実習生の出身国にある送り出し機関側の問題にも対策をとる必要がある。

 

・今回の立法で、優良な実習先の受け入れ期間が現行の3年から最長5年に延びる。しかし、国内の労働人口減少の穴埋めに実習制度を使うことはそもそも筋違いである。将来を見据えた議論を始めたい。

 

 

☆単語メモ

  • 「外国人技能実習制度」  - the Technical Intern Training Program for foreign trainees / the foreign trainee program
  • 外国人実習生    - foreign trainees / foreign interns
  • 日本の技術   - Japanese technical knowhow
  • 受け入れ先   - work placements / intern work placements / host firms / host companies and businesses 
  • 賃金の不払い   - failure to pay wages 
  • 長時間労働   - forcing ~ to work extremely long hours
  • 違法行為   - illegal practices 
  • 単純労働   - menial jobs 
  • 能力の養成   - cultivating one's skills
  • 人権を侵害する   - violate one's human rights
  • 健全な環境で   - in a healthy environment
  • 新制度を厳格に運用する   - enforce the new system extremely strictly 
  • 入国管理局    - Immigration Bureau of Japan 
  • 273機関    - 273 host companies and businesses 
  • 繊維・衣服関係   - the textile and garment sector
  • 農漁業関係   - farming- and fishing-related industries 
  • 実習生を受け入れる   - take on a foreign intern 
  • 事業協同組合     - a local industry association
  • 商工会    - a chamber of commerce
  • 優良な実習先   - the better class of host firm 
  • 今後も変わらない    - remain in place
  • 送り出し機関   - the trainee dispatch organizations / the organizations doing the recruiting 
  • 法外な保証金   - an illegal "deposit" 
  • 劣悪な条件   - bad working conditions 
  • 8万人以上の実習生   - 80,000-plus interns 
  • 付帯決議    - a supplementary resolution
  • 「早急に交渉を進めるべきだろう」  - "This process must be tackled quickly."
  • (国内の)労働人口   - the domestic labor pool 
  • 産業構造   - the makeup of Japanese industry 
  • 外国人の単純労働者   - unskilled foreign labor 
  • ~を受け入れる   - bring in ... 
  • 穴埋めする    - fill gaps

 

 

☆今日の使える表現

 

・~が本来の目的だ   - The original aim of ... is to ...

この制度は、人材育成を通じて日本の技術を海外に伝えるという国際貢献が本来の目的だ。

The original aim of this 20-year-old system was to contribute to international development by sending these trainees home equipped with Japanese technical knowhow, ...

 

 

・~との批判が強い   - This has earned strident criticism that ...

能力の養成よりも、単純労働の現場で、低賃金で外国人を働かせるための制度になっているとの批判が強い

This has earned strident criticism that the program is merely a way to exploit foreign workers, compelling them to do menial jobs for low pay instead of cultivating their skills.

 

 

・~と取り決めを結ぶ   - conclude relevant agreements with ...

国会は付帯決議で、政府が送り出し国と取り決めを結ぶことで、この問題の解決を図るよう求めた。

In a supplementary resolution, the Diet called for solving problems with the dispatch organizations by concluding relevant agreements with countries sending trainees on to Japan.

 

・そもそも筋違いだ    -    be simply wrong

実習制度でそうした人材を穴埋めすることは、そもそも筋違いだ

However, using the foreign technical trainee program to fill gaps in the unskilled labor market is simply wrong.

 

 

 

 

☆関連英文記事

今回の社説テーマに関連した英文記事をいくつかご紹介します。

 

 ・The Asahi Shimbun (朝日新聞英語版ウェブサイト)

今回の法改正について。表がわかりやすいです。

 

 

・The Japan Times

香川県にある実習生受け入れ監理団体が、「国別の介護技能実習生のポテンシャル」と題して、東南アジア六カ国の実習生の学習能力や親日度などを国ごとに評価し、介護への適性を採点した表を公開していたそうです。「差別的」として批判をあびています。

 

・Nikkei Asian Review

実習生の勤務環境について、厚生労働省が行った調査に関する記事です。日本の労働基準法を満たしていないケースが多いと判明したとのこと。

 

 

 

 

以上、今日は「外国人技能実習制度」についてでした。

 

うーん、国際貢献を本来の目的としつつも、実際には労働力確保の手段となっている部分が大きいのかもしれません。

(もちろん、そうでないケースもあるでしょうし、部外者なので一概には言えませんが!)

 

オリンピック開催や訪日観光客2千万人突破といった、日本の「国際化」をめぐる華やかなニュースの陰で、使い捨ての労働力のような扱いをされている外国人が少なくないという事実。それはもっと広く知られてもいいのでは、、と思いました。

今回の法改正が、その一つのきっかけになればいいですね。 

 

 

今日は以上です。

皆さん、良い一日をお過ごしくださいね。

 

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日本ファン急増計画進行中?! 外国人観光客、2千万人突破

 

おはようございます。RIEです。

 

お久しぶりです。

元気でやっております。

そして、ブログ、まだ続けてます!笑

 

トランプ氏就任の記事を書いてから更新がぱたりと途絶えていたので、身内から「ショックのあまりブログをやめたの?」と聞かれてしまいました。

 

いえいえ、そんなことは^^;

トランプ氏の当選は、正直私にとっては大きな衝撃でしたが、まだまだ時事英語からは離れません。

今後ともよろしくお願いします!

 

 

そのトランプ氏、私がブログ更新をしていなかったこの二週間のうちに、安倍首相と会談したり、TPP離脱宣言をしたり、政府要職の人選を進めたりと、着実に次期大統領としての基盤を築いているようですね。

 

新聞各社の社説題材も、トランプ氏関連が続いています。

しかしそんな空気はあえて読まずに、今日のブログは、まったく違う内容です。

 

今日のテーマは、「訪日外国人観光客、二千万人突破」です。

 

 

 

今年、日本を訪れた外国人旅行者が2000万人を突破したそうです。

昨年は1年間で過去最多の1974万人を記録しましたが、今年はなんと、10カ月で2000万人に達したとのこと。

 

訪日外国人数が初めて1000万の大台に乗ったのは2013年のことというので、その急増ぶりがいかに目覚ましいかがわかりますね。
 
 

個人的に非常に関心のある、このテーマ。 

以前にも当ブログで扱いました。


 

外国人観光客2千万人突破のニュースについて、11月1日の毎日新聞が社説で取り上げて以来、当ブログの題材に使いたいとずっと思っていました。

 

少し前の社説になってしまいましたが、今日は久々の更新ですし、自分のやりたいテーマということで!^^

また、通訳・翻訳者や、英語を学ぶ方々も関心をお持ちなのではと思います。

 

では、久しぶりに一緒に読んでいきましょう^^

 

    
 

 ☆今日の社説

・毎日新聞 2016年11月1日社説

 「訪日客2千万人 息の長いファン作りを」

 

 ・The Mainichi 毎日新聞英文サイト (上記社説の英訳)

”Cultivating 'Japan fans' key to attracting repeat foreign visitors”

 


 

 

 

☆内容ポイント

 ・今年、訪日外国人旅行者数が2000万人を突破した。昨年は1年間で過去最多となる1974万人を記録したが、今年は10カ月で2000万人に達した。外国人の日本訪問は予想以上の速さで増加し、政府は今や「20年に4000万人」を目標としている。

 

・訪日外国人の増加により、直接的な経済効果だけではなく、企業や地域社会が外向きの思考へ意識転換することが期待できる。しかし、世界規模で見れば、まだまだ成長の潜在性はある。

 

・重要なのは、訪日客を単なる消費者と見ないことである。訪日客の消費額は円高や海外の経済情勢に左右されやすい。観光の目玉となる施設がなくても、農業や環境問題、防災等の体験型の観光など、身近に埋もれている魅力や招致の手法を掘り起こすことにより、リピーターの訪日客増加が期待できる。多様な品ぞろえで、息の長いファンづくりを目指したい。

 

 

 

☆単語メモ

  •  日本を訪れた外国人旅行者/訪日外国人数   - the number of foreign visitors to Japan /  foreign visitors 
  • 2000万人を突破する   - smash through the 20 million mark
  • 1000万の大台に乗る   - top 10 million 
  • 「20年に2000万人」   - "20 million people by 2020" 
  • 地方   - the countryside
  • 買い物や宿泊など   - shopping, eating and filling Japan's hotel rooms
  • 直接的な経済効果   - direct and obvious economic benefits 
  • 外向きの思考   - outward-looking in one's thinking
  • を(大きく)しのぐ   - beat ... by a wide margin
  • 成長の潜在性がある   - have a lot of tourism growth potential
  • 単なる消費者   - mere consumers
  • 訪日に不利な円高   -  "a rising yen may make Japan a less attractive destination"
  • 外国人客を増やす   - attract foreign shoppers
  • 量販店   - a big-box retail outlet / retailer 
  • ~を誘致する   - bring in ... 
  • 一時的な集客効果がある   - see a short-term rise in visitors 
  • 観光の目玉となる施設    - sparkly tourist-oriented facilities 
  • 魅力や招致の手法   - attractions and ways to welcome foreign tourists 
  • 土地の食を味わう   - chow down on fresh produce
  • リサイクル施設   - recycling centers 
  • 体験型の観光   - "hands-on" experiences 
  • リピーターの訪日客を増やす   - attract more people back to Japan for repeat visits
  • 観光資源   - a resource for attracting visitors
  • 東京消防庁   - the Tokyo Fire Department 
  • 地震の揺れなどを体験    - feel what it's like to be in an earthquake
  • 海外向けの宣伝をする   - be marketed outside Japan
  • 日本のさまざまな顔   - the many faces of Japan
  • 息の長いファン作り   - cultivate long-term "Japan fans" 

 

 

 

☆今日の使える表現

 

・~は多くの意味で歓迎できる   - be a welcome development on many fronts

国内の人口が減少に転じ、特に地方の過疎、高齢化が進む中、世界から人がやって来ることは多くの意味で歓迎できる
The wave of people coming to see Japan is a welcome development on many fronts, especially as our country's population ages and begins to decline, particularly in the countryside.

 

・足をすくわれかねない   - ~ could lead to a nasty trip-up

目標設定自体、悪いことではないが、消費額ばかりにこだわると足をすくわれかねない

There's nothing wrong with setting a numerical target in and of itself, but focusing solely on visitor spending could lead to a nasty trip-up.

 

・案外身近に埋もれている   - be close to hand and just waiting to be uncovered

魅力や招致の手法は案外身近に埋もれているものである。

There are attractions and ways to welcome foreign tourists that are close to hand and just waiting to be uncovered.

 

・~ばかりでは無理が来る   - If ~ spends all its time ...ing, it will eventually hit a wall

数字を追うばかりでは無理が来る。

If Japan spends all its time chasing visitor numbers and tourist spending figures, it will eventually hit a wall.

 

 

 

☆関連英文記事

 今日の社説テーマに関連した英文記事をいくつかご紹介します。

 

・The Japan Times


・The Wall Street Journal


 

 

☆日本政府観光局のウェブサイト

外国人観光客誘致について、忘れてはならないのはこちら。

日本政府観光局のウェブサイトです。

美しい写真とともに、詳細な観光情報が10カ国語以上で掲載されています。

 

このサイトをみていると、今すぐにでも日本に行きたくなります。

日本は美しい国ですねえ…(すっかり旅行者感覚)。


 

上記サイト内に、今回の社説テーマに関連する記事もありました。

Number of foreign visitors to Japan in 2016 surpasses 20 million

 

また、訪日旅行客の国籍についての統計はこちらです

2016年1月~10月では、中国、韓国、台湾が訪日旅行者数トップスリーなのですね。

 

 

ちなみに、同時期のシンガポールからの旅行者数は、のべ24万2600人。

人口約540万の国にしては、なかなかいい線いってる気がしませんか。

 

日本への観光旅行、シンガポールの人々の間で、本当に大人気です。

日本人として嬉しいのはもちろんですが、私が行ったことのない小さな街にまで詳しかったり、その熱意たるやちょっと驚くくらいです。

 

 

この流れにのってか、JR東日本は、近々、情報発信・訪日サポートを行う「JAPAN RAIL CAFE」をシンガポールにオープンするそうです。

 

普通のカフェも併設されているそうで、なんだか楽しそう。

私も覗いてみるとします!

 

 

 

このような努力の積み重ねで、これからどんどん訪日観光客が増えてくれるといいですね♪

 

インバウンド事業で経済が活性化するのはもちろんですが、日本に来る外国人が増えることで、日本社会そのものが少しずつでも「外向き志向」になっていくのでは…と、心から期待しています。

 

 

 

今日は以上です。

皆さん、良い一日をお過ごしくださいね。

 

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ドナルド・トランプ アメリカ新大統領、誕生!!!(その2・社説編)

こんにちは。RIEです。

 

前回に引き続き、「ドナルド・トランプ アメリカ新大統領、誕生」について、今日は「社説編」です。
 
 
 
みなさん、もうあの衝撃からは抜け出しましたか。
私は、まだ信じられないというのが正直な気持ちです。
   
 
 
13日現在、全米各地では非常に激しい反トランプデモが起きているそうです。
選挙期間中にあれだけ国民の分断を煽ったのは、他でもないトランプ氏。
当選してもスムーズにいかないだろうことは、容易に予想できましたよね。
 
 
とはいえ、一方では、安倍首相をはじめ各国の首脳が祝賀メッセージを送ったり、オバマ大統領とトランプ氏が面会したりと、政権交代へ向けて確実に動き出しています。
 
 
 
当選以来、なぜか借りてきた猫のように大人しくみえるトランプ氏ですが、今後、経済や安全保障においてどのような政策をとるのか。
本当にメキシコ国境に壁を作るのか。
今後の政権運営については、現時点では誰にも予想がつかないようです。
(きっとトランプ氏自身もはっきりとわかっていないのでは…と、想像してしまいます。)
 
 
私も勿論、この先が不安です。
でも、毎日トランプ氏のことを考えるあまり、むしろ好きになってしまいそうなこの頃(冗談ですよ^^;)。
そろそろ少し冷静になり、現実を受け入れなくてはいけないなと思っています。
 
  
 
さて、いまきっと忙殺されているだろう新聞各社ですが、それぞれ社説の英訳をサイトにアップしてくれました。
どれも面白いのですが、アーカイブが長く残るという観点から、ここでは毎日新聞の社説をお借りしました。
長めですが、一緒に読んでいきましょう。
 
 
   
そうそう、当ブログでも以前、米大統領選について扱っていました。
(前回、あまりにびっくりして貼るのを忘れていました。)
今回と重なる単語・表現も多いので、ご参考までにご覧ください。


 
 

 

 ☆今日の社説

・毎日新聞 2016年11月10日社説

 「米大統領にトランプ氏 世界の漂流を懸念する」

 

 ・The Mainichi 毎日新聞英文サイト (上記社説の英訳)

”Global concern over Trump's victory”

 


 

  

 

☆内容ポイント

 ・米大統領選で、共和党のドナルド・トランプ候補の当選が確定した。米メディアの多くは民主党候補のヒラリー・クリントン氏を支持し、トランプ候補の大統領としての資質を疑問視していた。クリントン氏の勝利が予測されたが、潜在的なトランプ氏支持者が予想以上に多かったようだ。

 

・米国の民意とはいえ、超大国の変容は世界に大きな影響を及ぼす。メキシコ国境の壁の建設、イスラム教徒の入国規制、オバマケアの即時撤廃、TPPやパリ協定への反対、さらに日本やNATOなどの同盟国に対する米軍駐留経費の全額負担の要求といったトランプ氏の方針は、国内外の将来を一気に不透明にした。英国のEU離脱に続く、大きな衝撃である。近年の国際秩序は米国の理念に基づいて形成されてきたが、トランプ流「米国第一」主義は、経済や安全保障の既存システムを激変する可能性がある。世界漂流の予感と言っても大げさではない。

 

・トランプ氏の勝利は、8年に及ぶオバマ政権への飽き、クリントン氏の「私用メール問題」、そしてなにより、経済格差に苦しむ人々、とくに移民に職を奪われがちな白人の怒りが背景だろう。トランプ氏は、米国社会の不合理解消には既成の秩序や制度を壊すしかないと訴え、徹底したポピュリズムにより勝利した。従来の秩序を壊した後にどう再建するのか、同氏は今後、より具体的な政策を示す必要がある。

・今回の選挙は「最も醜い大統領選」とも言われたが、民主主義の一形態ではあった。今後、トランプ氏と共和党は団結できるのか、クリントン氏の支持者との融和は可能なのか。米国の民主主義が真価を問われている。

 

 

 

☆単語メモ

  • 怒濤のような進撃だった。   - "It was a stunning win."
  • 共和党のドナルド・トランプ候補   - Republican Donald Trump 
  • 泡沫候補   - a fringe candidate 
  • 予備選   - the primary contest
  • (共和党の)候補者指名を獲得する  - win the Republican presidential nomination
  • 民主党候補のヒラリー・クリントン   - Democratic nominee Hillary Clinton 
  • ほとんどの米メディア   - most U.S. media outlets 
  • 世論調査   - the opinion polls 
  • 潜在的な支持者(隠れトランプ)  - closet supporters
  • 逆境に陥る   - face adverse challenges 
  • 結束する   - bond together
  • 米国の民意   - the popular will of citizens in the United States 
  • 勝利宣言   - a victory speech
  • 混迷の大統領選   - the chaotic 2016 presidential race 
  • 民意超大国の変容   - changes in such a superpower 
  • メキシコ国境に壁を造る   - "a wall should be built along the border between the United States and Mexico"
  • 不法移民流入を防ぐ   - block the influx of illegal immigrants
  • イスラム教徒の入国を規制する   - "entries by Muslims into the United States should be restricted"
  • 国民皆保険をめざすオバマケア(医療保険制度改革)  - "Obamacare," President Barack Obama's affordable care act aiming to ensure universal health care coverage in the country
  • 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)  - the Trans-Pacific Partnership (TPP) free trade agreement
  • 地球温暖化対策の「パリ協定」  - the Paris Agreement on countermeasures against global warming
  • 即時撤廃する   - scrap immediately
  • 米軍駐留経費を全額負担する   - fully cover the expenses of stationing U.S. troops in Japan
  • 核武装する   - go nuclear
  • ソ連崩壊   - the collapse of the Soviet Union
  • 米一極支配   - "the United States has become predominant in the world"
  • 米国の理念に基づいて   - based on U.S. ideology
  • トランプ流「米国第一」主義    - Trump's "America First" policy 
  • 世界の漂流   - the changing of the world without any clear prospects
  • 故レーガン大統領にならって   - in a similar manner to former U.S. President Ronald Reagan
  • 「米国を再び偉大な国に」   - the slogan "make America great again" 
  • ~を粗末にする   - make light of ...
  • トランプ氏の集会   - a Trump rally 
  • スキャンダルにまみれる   - be tainted by a scandal (involving...)
  • 掛け声倒れになる   - end up as an empty slogan
  • オバマ政権への飽き   - voters' weariness of the Obama administration
  • 決定的な敗因   - the decisive cause of one's defeat 
  • 経済格差に苦しむ人々の怒り   - the anger of people suffering from the widening income gap
  • 甘く見る   - underestimate
  • ラストベルト(さびついた工業地帯)  - a "rust belt"
  • 民主党が強い地域   - Democratic strongholds
  • 少数派になりつつある   - slowly become a minority 
  • 米国の中心   - the center of America
  • 絶望する   - feel hopeless 
  • アメリカンドリームは過去のもの   - "the "American Dream" is a thing of the past"
  • トランプ氏の主張   - Trump's assertions 
  • アウトサイダーを自任する   - call oneself an outsider
  • 既成政治家   - the political establishment 
  • 低所得者層   - low-income earners 
  • 米国社会の不合理を解消する   - eliminate irrationality in U.S. society
  • 候補者討論会   - debates between presidential candidates
  • 既成の秩序や制度を壊す   - destroy the established order and system
  • 低次元な批判合戦   - low-level mutual criticism
  • 「最も醜い大統領選」   - one of the ugliest in U.S. history
  • トランプ氏の女性蔑視発言   - Trump's hateful remarks, including those discriminatory of women
  • よき伝統を重んじる   - attach importance to tradition (in the United States)
  • ネオコン(新保守主義派)  - neocons
  • 「小さな政府」を求める   - call for small government
  • 草の根運動「ティーパーティー(茶会)」  - the Tea Party grass-root movement 
  • トランプ氏という「怪物」を出現させる  - give birth to a "monstrous" candidate
  • 民主主義の一形態   - a form of democracy 
  • 機能不全に陥る   - become dysfunctional
  • クリントン氏の支持者との融和   - reconcile with Clinton supporters

 

 

 

☆今日の使える表現

 

・~の…としての資質を疑問視する   - question whether ~ is qualified to serve as ...

多くの米紙はクリントン氏を支持し、トランプ氏の大統領としての資質を疑問視した
Many U.S. newspapers expressed support for Clinton and questioned whether Trump was qualified to serve as head of state.

 
 
・(~は)たたかれるほど強くなる   - ~ become stronger whenever ~ face criticism 
投票前、ほとんどの米メディアはクリントン氏の勝利を予測したが、たたかれるほど強くなるトランプ氏は世論調査でも支持率を正確に測れなかった。
However, the opinion polls that news organizations conducted were unable to accurately measure public support for Trump, who became stronger whenever he faced criticism.


 
・~に断固反対する   - voice stiff opposition to ...
国民皆保険をめざすオバマケア(医療保険制度改革)は即時撤廃し、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)にも地球温暖化対策の「パリ協定」にも断固反対--。
Moreover, Trump voiced stiff opposition to the Trans-Pacific Partnership (TPP) free trade agreement and the Paris Agreement on countermeasures against global warming.

 
 
・~と言っても大げさではなかろう   - It is no exaggeration to say that ...
経済にせよ安全保障にせよ国際的なシステムが激変する可能性を思えば、世界漂流の予感と言っても大げさではなかろう
It is no exaggeration to say that Trump's election heralds the changing of the world without any clear prospects, as international economic and security systems could drastically shift.

 
 
・(~には)... という焦りもある   - there is a desperate feeling that ... (among ~)
米国社会で少数派になりつつある白人には「自分たちが米国の中心なのに」という焦りもある。
Among white Americans, who are slowly becoming a minority in the country, there is a desperate feeling that they are supposed to be the center of America, ...

 
 
 
 
今日は、 トランプ氏の大統領選当選についての社説でした。
 
トランプ氏勝利の背景や今後の予想については、NHKの「時論公論」でわかりやすく解説されていたので、ご参考までに貼っておきますね。
 

 
 
 
 
 
それにしても、私たちはいま、歴史的な変化の時代に生きているのかもしれません。
 
今年だけで、イギリスのEU離脱に続き、トランプ氏の米大統領当選という思いもよらない事態が続き、これまで疑いなく信じてきた秩序が、ものすごい勢いで崩れていくのを感じます。
 
これは、一人一人の力ではどうにもできないほど、大きな流れなのかもしれません。
 
しかし、少なくとも、周りの意見に翻弄されたり、扇情的な情報に煽られたりしないようにするために、 現在の世界で何が起きているかをしっかり知ろうとする姿勢が大切だと思います。 (まずは、日々の社説と対訳を読んで、一緒に現実を見据えていくとしましょう、皆さん!^^)
 
 
 
 
トランプ氏は、来年1月20日、第45代アメリカ合衆国大統領に就任します。
 
はたして、彼はどのような大統領として、歴史に名を残すのでしょうか。
アメリカの人々が心から誇れる大統領となることを、願ってやみません。
 

 

 

今日は以上です。

皆さん、良い一日をお過ごしくださいね。

 

 ⇊参加しています。

更新の大きな励みになっています!よろしくお願いいたします^^

 

ドナルド・トランプ アメリカ新大統領、誕生!!!(その1・スピーチ編)

こんにちは。RIEです。

 
あー、なんと言いましょうか。
できるだけ中立を目指している当ブログですが、今日だけはお許し下さい。
 
 
 
まさかのまさかの事態が起きました。
今日のテーマは、「ドナルド・トランプ アメリカ新大統領、誕生」です。
(これを書きながら、まだ信じられないのですが。)
 
 
 11月8日に行われたアメリカ大統領選で、共和党のドナルド・トランプ氏が、民主党のヒラリー・クリントン前国務長官を接戦の末に破り、当選しました。

 

 

 
  
皆さん、びっくりしましたよね…!!
あらゆるメディアも社会調査も、結局はクリントン氏の勝利になるだろうと予想していましたが、蓋を開けてみれば、世界を驚愕させる結果となりました。
 
 
実は私、クリントン氏当選を想定して、当ブログの下書きを書いていたのです。
彼女が2008年に行った、有名な「ガラスの天井スピーチ」に絡めたりして、けっこう満足いくものができたんですけどね。
結局、ガラスの天井は破られず、当ブログはまた一から書き直しです。。
 
 
社説でも読んで頭を落ち着けようと思ったのですが、このブログを書いている段階で、まだ各新聞社のサイト上に英訳が出ていません。(お待ちしております!)
 
 
 
そこで、今日はまず、2016年大統領選終了後にトランプ氏、クリントン氏、そしてオバマ大統領が行ったスピーチを集めてみました。
 
いずれも意義深く、英語の勉強にも最適なものばかり。
私もこれからじっくり聞いていくつもりです。

 

 

 

1. トランプ氏の勝利宣言 (Victory Speech)

 

全体的に落ち着いた口調で、抑え気味のトーンだったのが印象的です。

要旨は、以下の記事をご覧ください。

 

 

 

2. クリントン氏の敗北宣言 (Concession Speech)


ヒラリー氏の思いが込められたスピーチで、とても評判がよいようです。

要旨はこちら。

 

 

 

3.トランプ氏当選確定後のオバマ大統領スピーチ

 

オバマ大統領も相当トランプ氏を批判していたので、心中きわめて複雑であることは想像に難くありませんが、そこはさすがの大人。スピーチもいつも通りの達人技です。


日本語の要旨はこちらをご覧ください。

 

 

 

このようなスピーチは、様々な結果にそなえて、かなり前から準備しているのでしょうね。いずれも、とてもよく練られた素晴らしいものばかりです。

 

とくに、クリントン氏のスピーチは、今後の世代への力強いメッセージとして、非常に重く、感動的なものでした。

 

個人的に、心に残った部分を抜粋します。(和訳はこちらのサイト様からです)

 

This loss hurts, but please never stop believing that fighting for what’s right is worth it.

(今回の敗北はとてもつらいことです。でも、正しいと思うものために戦うことを消してやめないでください)

 

Now, I know we have still not shattered that highest and hardest glass ceiling, but some day someone will—and hopefully sooner than we might think right now.

(最も高い、最も硬いガラスの天井を破ることはできませんでした。しかし、いつか誰かがそれを破ってくれるでしょう。願わくば、ここにいる皆さんが思っているよりもそれが早く実現することを願って)

 

 

 

いつかアメリカに女性大統領が誕生したとき、このスピーチが必ずや引き合いに出されることでしょう。

 

英語もとても美しいので、クリントン氏のことが好きじゃないという方も、ぜひ聞いてみてくれればいいなと思います^^

 

 

 

いまだショックが抜けないまま、今日は以上です。

(次回は社説が読めますように!)

皆さん、良い一日をお過ごしくださいね。

 

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フィリピン・ドゥテルテ大統領、来日☆

おはようございます。RIEです。

今日のテーマは、「フィリピン・ドゥテルテ大統領、来日」です。

 

 

 

いきなりですが、私にとって、時事問題に触れる楽しみの一つに、「国際政治の登場人物が面白い!」ということがあります。

 

外交の舞台には、日本の戦国時代もかくやと思わせる、強烈なキャラクターを持った人物が次々と登場します。そろいもそろって、「できれば周りにいてほしくない…」と思ってしまうような、パワフルかつ狡猾そうな方々です(褒めてます)。

 

彼らの言動やエピソードは、ときに凡人の予想もつかないもので、みていて実に飽きません。

そして、きっと裏ではさまざまな権謀術数が渦巻いているのでしょうね。

いつも新聞や各種メディアをみながら、世界の片隅でそんなことをあれこれ想像している私です。

(平和な場所から見物していられるということですから、幸せなことですよね。。)

 

 

 

そんな国際政治の舞台に、またまた「濃いキャラクター部門」の新星が現れました!

フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領です。

みなさん、きっとすでにご存じですね^^

 

 

長くなるので詳細は省きますが、このような人物です。

噂ではなかなかの親日家だとか^^


 

 

そのドゥテルテ大統領、10月25日から27日にかけて来日し、安倍総理や岸田外相と会談を行いました。

とくに注目を集めていたのが、その直前(18~21日)に中国を訪問したばかりの同氏が、南シナ海問題でどのような立場をとるかということです。


 

 

米国嫌いでオバマ大統領に暴言を吐き続けたと思えば、日本から戻った後、「飛行機で神のお告げがあったので暴言辞める(でも状況による)」宣言をしてみたり、話題に事欠かないドゥテルテ大統領。

その一方で、非常に緻密な外交手腕を持つ政治家という評価もあるようです。

 

 

 

とにかく一筋縄にはいかない人物のようですが、今回の日本訪問ではどのような成果がうまれたのでしょうか。

一緒に社説をみていきましょう。今日は毎日新聞サイトからお借りしました。

 

 

 

 ☆今日の社説

・毎日新聞 2016年10月28日社説

 「日比首脳会談 一定の成果はあったが」

 

 ・The Mainichi 毎日新聞英文サイト (上記社説の英訳)

”Abe should patiently engage with Duterte”

 


 

 

 

☆内容ポイント 

 ・フィリピンのドゥテルテ大統領が来日し、安倍首相と会談した。乱暴な言動で注目を集めるドゥテルテ氏の実像を見極めるのは容易ではない。

 

・南シナ海問題に関し、両首脳は平和的解決へ向けた連携で一致。共同声明では「自制と非軍事化の重要性」を強調した。 中国の権益主張を退けた仲裁裁判所の判決を重視する日本に対し、ドゥテルテ氏が一定の配慮をしたといえる。判決について、同氏は訪中時は触れず、日本では強調したが、そのような対応は日中双方に不信感を抱かせる。同氏には「法の支配」重視を明確に打ちだしてもらいたい。

 

・ドゥテルテ氏の米国との向き合い方も注目された。日米比の協力は南シナ海での日本の安保政策の基本であり、米比関係は日本にも大きな影響がある。首相は、東アジアにおける米国の重要性を強調したというが、同氏は都内講演会でフィリピンからの米軍撤退を求める姿勢を示すなど、両者の認識は明らかに食い違っている。歴史的事情が絡むとしても、ことさらに反米を振りかざす態度は行き過ぎである。日本は両国の橋渡しをしていきたい。

 

・同氏の強権的な麻薬対策については、首相は人権問題には触れぬまま、麻薬常習者の更生支援を申し出た。国際社会に日本の人権感覚を疑われかねない対応である。日本は粘り強く対話し、懸念を伝える努力をすべきである。 

 

 

  

 

☆単語メモ

  • フィリピンのドゥテルテ大統領   - Philippine President Rodrigo Duterte 
  • 乱暴な言動   - abusive words and deeds
  • ~で注目を集める   - draw worldwide attention for ... 
  • 南シナ海問題の平和的解決   - a peaceful settlement to issues in the South China Sea
  • 「(仲裁裁判所の)判決」   - an international arbitration tribunal ruling 
  • 2国間協議再開   - to resume bilateral talks 
  • 共同声明   - a joint statement 
  • 中国による埋め立て   - China's reclamation of reefs in the South China Sea 
  • ~を念頭に   - with ... in mind 
  • 「自制と非軍事化の重要性」  - the importance of self-restraint and demilitarization
  • 棚上げする  - shelve
  • ~を重視する    - attache importance to ... 
  • 「法の支配」  - rule by law
  • 注目を集める  - draw particular attention 
  • 米国との向き合い方   - attitude toward the United States 
  • 日米比の緊密な協力   - close cooperation between Japan, the United States and the Philippines
  • 日本の安保政策の基本   - the core of Japan's security policy 
  • 大統領報道官   - a press secretary to the president
  • 日本記者クラブ   - the Japan National Press Club
  • 「国家の尊厳」   - the dignity of his country
  • ~を植民地支配する   - continue its colonial rule of ... 
  • 従属的立場   - a subordinate position
  • ~へ反発する   - harbor ill feelings toward ... 
  • ことさらに反米を振りかざす   - blatantly demonstrate anti-U.S. sentiment
  • 感情的対立に陥る   - develop into an emotional standoff
  • 橋渡しをする   - bridge the gap (between ... and ...)
  • 麻薬対策   - countermeasures against illegal drugs 
  • 裁判抜きで   - without a trial
  • 容疑者数千人を殺害する   - kill thousands of suspects
  • 法治国家    - a law-governed country 
  • 麻薬常習者の更生支援   - to help rehabilitate drug addicts 
  • (~からの)強い反発をさける   - avoid a backlash from ...
  • 日本の人権感覚    - Japan's sensitivity to human rights
  • (~についての)懸念を伝える   - convey one's concerns about ...

 

 

 

 

☆今日の使える表現

・~の実像を見極める   - grasp the true nature of ...

乱暴な言動で注目を集めるドゥテルテ氏の実像を見極めるのは簡単ではない。

Duterte's three-day official visit has reminded the public that it is no easy task to grasp the true nature of the president, who has drawn worldwide attention for his abusive words and deeds.

 

 

・~に触れない(言及しない) - make no mention of ... 

中国の習近平国家主席との会談で発表された共同声明は、判決に触れていなかった

However, a joint statement released at the summit between Duterte and his Chinese counterpart Xi Jinping makes no mention of the international arbitration tribunal's ruling, …

 

 

・~の立場に配慮する   - show consideration to one's position 

ドゥテルテ氏は今回、中国の権益主張を退けた7月の仲裁判決を重視する日本の立場に配慮したようだ。

In Japan, Duterte apparently showed consideration to Japan's position with his reference to the ruling.

 

 

・~に不信感を抱かせる   - invite distrust from ... 

ただ、判決に対して「紙くず」と反発する中国で言及せず、日本では強調するという対応は、日中双方に不信感を抱かせる。 

But avoiding mention of the ruling, which China has rejected as "waste paper," while he was in China and emphasizing in Japan that the Philippines will hold consultations with China based only on the ruling could invite distrust from both Tokyo and Beijing.

 

 

 

 

 

☆南シナ海問題について(当ブログ過去記事)

今回の来日における大きな焦点の一つ、「南シナ海問題」について、ご参考までに当ブログの過去記事を貼っておきます。よかったらあわせてご覧ください。

 

 

なんと、現時点でパート3まであります。

今後もまだまだ続きそうな予感。。

 

  

 

 

☆関連英文記事

関連の英文記事も貼っておきますね。

 

・Reuters(動画あり)


・The Wall Street Journal

  

 

 

 

訪中、訪日を終え、今後、ドゥテルテ大統領はどう動くのでしょうか。

そして、宣言通り、暴言も封印されるのでしょうか。

まだまだ世を騒がせそうな同氏、今後もひっそりチェックしていこうと思います^^

 

 

今日は以上です。

皆さん、良い一日をお過ごしくださいね♪

 

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がんばろう九州!JR九州、東証へ上場

おはようございます。RIEです。

今日のテーマは、「JR九州、東京証券取引所へ上場」です。

 

前回のディラン氏ノーベル賞受賞(?)に引き続き、今日も明るい話題です。

ミサイルがどうとかではなく、こういうのはいいですね^^

 

 

10月25日、JR九州が東京証券取引所への上場を果たしました。

JR旅客6社のうち、東日本、西日本、東海に続く、4社目の上場となります。


 

 

4月の大地震の傷跡がいまだ残る九州だからこそ、今回のJR九州上場のニュースは、きっと地元の方々にとって大きな励みになるのではないでしょうか。

応援を兼ねて、当ブログでも取りあげることにしました。

 

 

さらに、すでに東証に上場済のJR3社とは違い、今回の上場は、1987年の国鉄民営化の時点では誰も予測していなかったようです。

それがなぜかは、ぜひ社説本文をご覧ください。

「プロジェクトX(古い?)」の題材になりそうなストーリーが伝わってきますよ。

 

 

 

 

 ☆今日の社説

・毎日新聞 2016年10月26日社説

 「JR九州の上場 挑戦の旅を見守りたい」

 

 ・The Mainichi 毎日新聞英文サイト (上記社説の英訳)

”JR Kyushu must grab chance of going public to boost profitability”

 


 

 

 

☆内容ポイント

 ・JR九州が東京証券取引所への上場を果たし、純粋な民間会社として新たにスタートすることとなった。JR旅客6社のうち、九州は4例目の上場となる。

 

・いわゆる「3島会社」と呼ばれる北海道、四国、九州のJR3社は、国鉄分割民営化当初から大幅赤字が予想され、国から「経営安定基金」を受けてきた。そのハンディを克服すべく、JR九州は、事業の多角化やブランドの強化、海外展開、豪華寝台列車「ななつ星in九州」といったデザイン性の高い車両の導入など、攻めの姿勢で経営努力を行ってきた。それだけに、「3島会社」初となる今回の上場には特別な意味が伴う。 

 

・JR九州は、今春で経営安定基金を全て取り崩しており、今後は自力で業績を改善しなければならない。地域の足としての役目を確保しつつ、いかに事業を拡大展開し、長期的利益を得ていくか。本格的な試練は、むしろこれからである。試行錯誤を重ねつつ、チャレンジを続ける姿は、日本の企業全てに可能性を示しているといえる。 

 

 

 

☆単語メモ

  • JR九州   - Kyushu Railway Co. (JR Kyushu) 
  • 上場する(上場を果たす)  - go public / list one's stock on ... 
  • 東京証券取引所1部   - the First Section of the Tokyo Stock Exchange (TSE)
  • 国鉄分割民営化   - the break-up of the (red ink-drenched) Japanese National Railways (JNR) 
  • 事業計画   - business plans
  • 社長人事   - appointments of new presidents
  • 純粋な民間会社   - a purely private company
  • JR旅客6社   - six JR passenger companies
  • JR東日本   - East Japan Railway Co. (JR East)
  • JR西日本   - West Japan Railway Co. (JR West) 
  • JR東海    - Central Japan Railway Co. (JR Central)
  • JR北海道    - Hokkaido Railway Co. (JR Hokkaido)
  • JR四国    - Shikoku Railway Co. (JR Shikoku) 
  • 「3島会社」  - the "three island companies" 
  • ~と呼ばれる   - dubbed ... 
  • 大幅な赤字になる   - go deeply into the red
  • (鉄道事業の)稼ぎ頭   - lucrative lines
  • 山手線   - the Yamanote Line in downtown Tokyo
  • 東海道新幹線   - the Tokaido Shinkansen bullet train line between Tokyo and Shin-Osaka
  • 「経営安定資金」   - business stabilization funds 
  • 運用益   - investment profits 
  • 赤字を穴埋めする    - make up for one's deficits 
  • 事業を多角化する   - diversify one's business
  • ブランドを強化する   - strengthen one's brand
  • 分譲マンションの販売戸数   - new condominium sales 
  • 高速船   - high-speed ship services 
  • 九州の産品   - Kyushu ingredients
  • 鉄道以外からの売り上げ   - sales from non-railway projects
  • 豪華寝台列車「ななつ星in九州」  - a luxury vacation train, "Seven Stars in Kyushu" 
  • 「車両の墓場」  - the "train graveyard"
  • デザイン性の高い車両   - trains with unique external designs 
  • 社員の士気を高める   - enhance employee morale
  • ~を取り崩す  - use up ... 
  • ~を無人化する   - unman ...
  • 不採算路線   - money-losing lines
  • 長期的利益をもたらす   - bring long-term benefits (to ...) 
  • 誰もやっていないことに挑戦する   - try something that no one else has ever done
  • (日本の)高齢化や人口減少   - Japan's aging, shrinking population

 

 

 

☆今日の使える表現

 

・ハンディを克服する   - to overcome one's disadvantages

ハンディを克服すべくJR九州が取り組んだのが事業の多角化とブランドの強化だ。

To overcome its disadvantages, JR Kyushu has diversified its business and strengthened its brand, aggressively launching real estate, hotel and farming projects.

 

 

・国外に活路を求める  - pursue business opportunities overseas 

国外にも活路を求めた。

JR Kyushu has also pursued business opportunities overseas.

 

 

・本格的な試練はこれからである   - will face major challenges going forward 

株式上場は終点ではなく、本格的な試練は、むしろこれからである

The company will face major challenges going forward.

 

 

・試行錯誤を重ねつつ、チャレンジを続ける   - continue trying something new while continuing its trial-and-error efforts 

・先行きを悲観しがちである   - tend to be pessimistic about their future 

試行錯誤を重ねつつ、チャレンジを続ける姿は、JR北海道、四国だけでなく、高齢化や人口減少で先行きを悲観しがちな日本の企業に可能性を示しているようだ。

JR Kyushu's attitude to continue trying something new while continuing its trial-and-error efforts appears to have broad potential for improving business performance, not only at JR Kyushu and its fellow "island companies," but also other firms that tend to be pessimistic about their future because of Japan's aging, shrinking population. 

 

 

 

 

☆関連記事1(英文記事)

覚えた単語を忘れないうちに読めるように(?)、関連英文記事をいくつか載せておきますね。お時間のある方はぜひどうぞ~。

 

・Bloomberg

 

・NIKKEI ASIAN REVIEW

 

 

 

☆関連記事2

今回の上場にあわせて発表された、JR旅客6社の経営動向調査がありましたのでシェアします(2016年10月25日公開)。

JR九州の近年の健闘が垣間見えますよ。


以下は、上記レポート本文からの抜粋です。

 

(JR九州は)九州経済をけん引する代表的な企業として、復興を目指す熊本県など各県の思いを込めて、「頑張ろう九州」の旗印となることが期待されている。 

  

 

九州、そして日本経済を元気にするために、これからも頑張ってほしいものですね^^ 

 

 

私もいつか、「ななつ星in九州」に乗ってみたいです。

ずいぶん先まで予約でいっぱいと聞きましたが、、まずはウェブサイトで脳内旅行を楽しむとします♪

 

 

 

今日は以上です。

皆さん、良い一日をお過ごしくださいね。

  

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ボブ・ディラン氏 ノーベル文学賞受賞!(...のはず!)

おはようございます。RIEです。

 

日本はすっかり秋も深まっているようですが、シンガポールは毎日安定の30度ですよ!

皆さん、いかがお過ごしでしたか。

 

当ブログがすっかり休止状態にある間、世界中で実に色々な出来事がありました。

久々の更新となる今日のテーマは、世界中が軽く驚いたあの出来事。

 

ボブ・ディラン氏 ノーベル文学賞受賞!」です。

 

おめでとうございます!!

 

今さら紹介するまでもありませんが、一応、ディラン氏の日本版オフィシャルサイトを貼っておきますね。


 

 

とはいえ、ご本人はそれほどおめでたいとは思ってなさそうですね(?)。

 

ブログタイトルにも「(…のはず!)」とつけてみましたが、27日現在、ノーベル賞選考主体のスウェーデン・アカデミーがいまだディラン氏と連絡が取れず、よもや受賞辞退か、とも囁かれています。

 

 

12月10日のノーベル賞授賞式まで、まだまだ世間を騒がせそうなこのニュース。

 

今回ご紹介するのは、文学賞発表時の社説(10月15日付)です。

少し前の社説ではありますが、ここで改めて、発表時の「歓喜と当惑(社説文中より)」を反芻し、彼の受賞の歴史的意義を確認してみるのもいいかもしれません。

   

 

 

 ☆今日の社説

・毎日新聞 2016年10月15日社説

 「ボブ・ディラン氏 歌に宿った高い文学性」

 

 ・The Mainichi 毎日新聞英文サイト (上記社説の英訳)

”Dylan's Nobel win signals broader perspective taking root in prize selection”

 

 

 

 

☆内容ポイント

 ・米国のシンガー・ソングライター、ボブ・ディラン氏がノーベル文学賞を授与されることとなり、世界中が歓喜と当惑をもって受け止めている。歌手の受賞は初めてであり、ノーベル文学賞の歴史における一つの事件と言える。また、文学の概念が拡大したと捉えることもできるだろう。スウェーデン・アカデミーは授賞理由を、「米国の歌の伝統において新たな詩的表現を創造した」と説明した。

 

・ディラン氏は、1960年代初頭に公民権運動やベトナム戦争の時代を背景に、若者から熱狂的な支持を得た。メッセージ性の強い「プロテストソング」の旗手として名を馳せたが、その歌詞はさまざまな解釈が可能で、深みと広がりがある。欧米のみならず、日本のミュージシャンも強い影響を与えてきた。

 

・今回の受賞からは欧州に偏ってきた選考の変化もうかがえる。「理想主義的傾向を持つ最も優れた作品を書いた人」というノーベルの遺言に、アカデミーが新たな解釈を加えたとも言える。人々が改革を求めて苦闘した時代にデビューして以来、常に新しい創造を続けるディラン氏の姿は、現代人にも強い改革のメッセージを投げかけている。 

 

 

 

☆単語メモ

  • ノーベル文学賞   - the Nobel Prize in literature 
  • ボブ・ディラン   - Bob Dylan's
  • シンガー・ソングライター   - a singer-songwriter 
  • 一つの事件   - an epoch-making event 
  • 選考の経緯   - the process of selecting winners 
  • 文学の概念   - the concept of literature
  • スウェーデン・アカデミー   - the Swedish Academy 
  • 「米国の歌の伝統において新たな詩的表現を創造した」  - "having created new poetic expressions within the great American song tradition" 
  • その先例にならえば、 - As such, ...
  • 原点に回帰する   - return to one's starting point
  • ~を背景に   - against the backdrop of ...
  • 公民権運動   - the U.S. Civil Rights Movement
  • ベトナム戦争   - the Vietnam War
  • ~を思いつく   - come up with ... 
  • 「風に吹かれて」(代表曲)  - "Blowin' in the Wind" 
  • 反戦歌   - an anti-war song
  • ~の大切さを訴える   - underscore the importance of ...ing 
  • 安直に答えを出す  - offer easy answers
  • 「プロテストソング(抵抗の歌)」  - protest songs
  • (~の)旗手   - the standard-bearer (of ...)
  • 歌詞   - lyrics 
  • 深みと広がりがある   - be deep and broad
  • 新たな文学性を切り開く   - develop a new literary world
  • 「口語で表現する偉大な詩人」   - "a great poet in the English speaking tradition" 
  • 米国の文豪   - Great U.S. writers 
  • 「理想主義的傾向を持つ最も優れた作品を書いた人」  - "the most outstanding work in an ideal direction" 
  • それから54年の長きにわたり   - for the 54 years since then 
  • (~に)メッセージを投げかける   - send a strong message (to ...)

 

 

 

☆今日の使える表現

 

・歓喜と当惑を持って受け止める   - take ... with both joy and perplexity

歌手の受賞は初めてであり、世界中で歓喜と当惑を持って受け止められている

People in the world have taken the news with both joy and perplexity.

 

 

・~から熱狂的な支持を得る   - win enthusiastic support from ...

ディラン氏は、1960年代初頭に公民権運動やベトナム戦争の時代を背景に、若者から熱狂的な支持を得た

Dylan won enthusiastic support from young people in the early 1960s against the backdrop of the U.S. Civil Rights Movement and the Vietnam War.

 

 

・~に偏る   - place excessive emphasis on ... 

今回の受賞からは欧州に偏ってきた選考の変化もうかがえる。

The selection of Dylan as the winner of the Nobel Prize in literature in 2016 suggests changes in the trends behind winner selections, which have placed excessive emphasis on European literary figures.

 

 

・~に新たな解釈を加える   - put a new spin on ...

「理想主義的傾向を持つ最も優れた作品を書いた人」というノーベル賞創設者、アルフレッド・ノーベルの遺言に、アカデミーが新たな解釈を加えたとも言えるのではないか。

This suggests that the Swedish Academy put a new spin on Alfred Nobel's words, "the most outstanding work in an ideal direction."

 

 

 

 

☆関連英文記事

ディラン氏に関する社説も読んだことですし、肝心の彼の曲やその歌詞についても触れたいところです。しかし、そちらは至る所に情報源がありますし、著作権の問題も絡んできそうなので、皆さまにお任せするとします^^;

 

ここでは、関連の英文記事をいくつか載せておきますね。

 

 

まず、受賞発表直後のニュースです。

・BBC(動画あり)

 

・The New York Times(動画あり)

Bob Dylan Wins Nobel Prize, Redefining Boundaries of Literature

 

 

 

また、その後の動向については以下の記事など。

・NPR News(音声&スクリプトあり)

 

・BBC

 

・The New York Times

Bob Dylan’s Silence on Nobel Prize Is Called ‘Impolite and Arrogant’ by Academy Member - NYTimes.com

 

 

 

まだまだ沢山ありますが、とりあえずこの辺で。

 

海外メディア(とくに米国)の報道を観ていると、日本国内での受け止め方とは比べ物にならないくらいの高揚感が伝わってきます。

彼らの文化における「ボブ・ディラン」の存在の大きさを伺い知ることができ、興味深いですね。

 

 

 

それにしても、本当に、どうなるんでしょうね。

全てディラン氏の胸のうちでしょうか…

12月10日の受賞式まで、進展を見守るといたしましょう。

 

 

 

今日は以上です。

皆さん、どうぞ良い一日をお過ごしくださいね♪

 

 

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(更新していなかったら順位ダウンしてました…^^;)

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地球温暖化対策の大きなステップ♪ 「パリ協定」発効へ 

 

こんにちは。RIEです。

最近やることが増えており(当社比)、更新が遅れてしまいました。

皆さん、いかがお過ごしですか?

 

 

今日のテーマは、「地球温暖化対策の大きなステップ・「パリ協定」発効へ」です。

  

実は、ブログタイトルを入力する際、うっかり「パリ条約」と書いてしまい、あわてて消しました。

パリ協定 」!英語では "Paris Agreement"です!

ご注意ください(間違えるのは私だけかもしれませんが)。

 

 

 

さて、この「パリ協定」、昨年2015年の「気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)」で合意された、温暖化問題に対処する国際条約です。

1997年に採択された「京都議定書」に代わるものとなります。

 

 

昨年12月の採択から、わずか1年足らずで発効要件が満たされ、近く発効する見通しとなりました。

 

発効には、「55か国以上の批准と、批准国の合計排出量が世界全体の55%以上を占めること」という発効要件があったのですが、このたび、欧州連合(EU)の欧州議会が批准を承認したことにより、この要件が満たされました。

 

 

パリ協定の前身「京都議定書」は、採択から発効まで7年以上かかったそうですから、かなりのスピード発効ですよね。

 

温暖化対策の大きな一歩!よかったですね!

 

 

 

と、もろ手を挙げて喜びたいところですが、一つ懸念が。

 

実は、わが日本は、この協定の発効が決定した10月6日時点で、まだ批准していませんでした。批准手続きが遅れていたとか。。

10月11日になって、ようやく協定締結の承認を求める議案が閣議決定されたようです。

 

 

日本は協定発効にも貢献できず、さらに今後のルール作りでもスタートダッシュを切れないという、出遅れ状態であります。うーん、今後に期待ですね^^; 

 

 

 

まあ、そういう状況だったので、今回の毎日新聞の社説(10月7日時点)は、タイトルからして少々ご立腹です。

詳しいところは、ぜひ社説本文をお読みください。

 

 

 

 

 ☆今日の社説

・毎日新聞 2016年10月7日社説

 「パリ協定発効へ 批准遅れは恥ずかしい」

 

 ・The Mainichi 毎日新聞英文サイト (上記社説の英訳)

”Paris Agreement ratification delay would be embarrassment for Japan”

 

 

 

 

 

 

☆内容ポイント

 ・京都議定書に代わる地球温暖化対策の新たな国際枠組みである「パリ協定」が、11月4日に発効する。10月5日時点で73カ国と欧州連合(EU)が批准し、世界全体の温室効果ガス排出量に占める比率が55%を超えたことにより、発効要件が満たされた。

 

・日本は世界第5位の温室効果ガス排出国だが、批准のための国内手続きが遅れ、パリ協定の発効に貢献することができなかった。政府は今後の交渉に大きな影響はないと説明するが、協定のルール作りで日本は主導権は取れず、温暖化対策に不熱心な国との印象を与えることも免れない。速やかに批准手続きを終えるべきである。

 

・パリ協定は昨年12月のCOP21で採択され、その後1年足らずのスピード発効となった。温室効果ガスの2大排出国である米国と中国が今年9月に協定の批准を同時発表した効果が大きい。EUもまた、国際交渉で後れを取らないため、批准手続きを異例の速さで進めたという。世界の潮流に乗り遅れないために、安倍政権は温暖化対策を最重要課題に位置づけなければならない。

 

 

 

 

☆単語メモ

  • パリ協定   - the Paris Agreement
  • 批准   - ratification
  • 協定を批准する   - ratify the accord / ratify the Paris Agreement
  • 発効する   - come into force
  • 地球温暖化対策   - to fight global warming / global warming countermeasures
  • 京都議定書   - the Kyoto Protocol
  • 温室効果ガス   - greenhouse gas 
  • 世界全体の温室効果ガス排出量   - global greenhouse gas emissions
  • 化石燃料   - fossil fuels
  • 残念なのは、   - it is regrettable that ... 
  • 世界第5位の温室効果ガス排出国である日本   - Japan, which emits the fifth largest amount of greenhouse gases in the world
  • ~の手続きが遅れる   - be slow to go through the necessary procedures to ...
  • 協定の発効に貢献する   - help bring the pact into force
  • 国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)  - the 22nd session of the Conference of the Parties (COP22) to the U.N. Framework Convention on Climate Change
  • 第1回締約国会議(CMA1)  - the first Conference of the Parties serving as the Meeting of the Parties to the Paris Agreement (CMA1)
  • ~と同時に開かれる   - take place simultaneously with ... 
  • 批准手続きを終える   - complete the ratification procedure 
  • (新)協定のルール作り    - working out rules under the new accord 
  • ~を最優先課題とする   - place top priority on ...ing 
  • (今)臨時国会    - the (ongoing) extraordinary Diet session 
  • 産業革命前からの    - from the pre-industrial era
  • 平均気温上昇を2度未満に抑える   - hold a rise in the average global temperature to below 2 degrees
  • 実質ゼロにする   - reduce  … effectively to zero 
  • 5年ごとに見直す   - review the measures every five years
  • 内容を強化する    - beef up their content 
  • 温室効果ガスの2大排出国である米国と中国   - the United States and China, the two largest greenhouse gas-emitting countries
  • ~とは対照的に    - in sharp contrast to ... 

 

 

 

☆今日の使える表現

 

・~を目指す取り組みが指導する   - progress has begun toward ...

歴史的な国際合意に基づき、化石燃料に依存しない脱炭素社会の実現を目指す取り組みが始動する

Based on this historic agreement, progress has begun toward a global society that does not rely on fossil fuels.

 

 

 

・~に発言力がある   - have a say in ...ing

京都議定書では、日本はホスト国として採択に尽力し、ルール作りでも一定の発言力を保ってきた。

Japan played a leading role in adopting the Kyoto Protocol at COP3 in Kyoto in December 1997, and had a say in working out rules under the pact.

 

 

 

・雪崩を打ったように~する   - subsequently rush to ...

各国が雪崩を打ったように批准へと動いた。

Other signatories subsequently rushed to ratify the agreement.

 

 

 

・(~する)世界の潮流に乗り遅れる   - be left lagging behind the international trend (of ... ing)

これでは、温暖化対策を最重要課題に位置づける世界の潮流に乗り遅れるばかりだろう。

The government's response to the accord has raised concerns that Japan will be left lagging behind the international trend of prioritizing combatting global warming. 

 

 

 

 

☆あらためて、「パリ協定」とは

では、あらためて、「パリ協定」とは何なのでしょう。

京都議定書とはどこが違うのでしょうか。

 

そういった疑問について、「国民生活センター」のウェブサイトにわかりやすい説明がありました。より深く知りたい方はご覧ください(2016年4月時点)。

 

「温暖化ガスを削減する新たな国際条約「パリ協定」とは
―京都議定書とはどこが違うのか―」

 

 

 

また、2015年12月時点のものですが、NHKの「視点・論点」でも、パリ協定の意義と主な内容について説明されています。

 

 

 

 

 ☆関連英文記事

さらなる英語学習用に、英文記事も一つだけ貼り付けておきますね。

 

・Reuters

 オバマ大統領が「歴史的な日だ」とスピーチしている動画もついています。

 

 

このニュースに関しては、様々な切り口からの英文記事がインターネット上に山ほどあります。

ご興味ある方は他にも探してみてください^^

 

 

 

 

今日は以上です。

 

しばらく多忙のため、次回の更新はまた少し間があくかもしれません(ネタはあるのに~)。コメント、フィードバックは常時受けつけていますので、ぜひお願いします^^

 

 

では、皆さん、良い日々をお過ごしくださいね。

  

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どうぞよろしくお願いします^ ^

 

OPEC、8年ぶりに原油減産合意 ~「OPEC」の発音にご注意を~ 

 

おはようございます。RIEです。

今日のテーマは、「OPEC、8年ぶりに原油減産合意」です。

 

9月28日、石油輸出国機構(OPEC)はアルジェリアで臨時総会を開き、原油の協調減産で合意しました。OPECの減産合意は、2008年以来、約8年ぶりとなります。

 

とはいえ、生産量の割り当てなど調整が難航しそうな具体策は、11月末の総会に先送りとのこと。それぞれ個性の強い産油国、まとめるのは容易ではなさそうですね。。

 

 

詳細は、以下のリンクをご覧ください。

 

 

 

 

今日は読売新聞の社説からです。

読売新聞社のサイトでは、残念ながら、社説は一定期間(約二週間)後にリンク切れとなります。ご注意ください。

 

 

 

 

 ☆今日の社説

・読売新聞 2016年10月1日社説

 「OPEC合意 原油減産を相場安定の契機に」

  ・The Japan News (上記社説の英訳)

”Use OPEC accord on trimming output to stabilize crude oil prices”

 

 

* リンク切れになりました。

 

 

 

☆内容ポイント

 ・石油輸出国機構(OPEC)が、原油の減産で8年ぶりに合意した。供給量を抑えることで、原油価格の低迷に歯止めをかけるのが狙いである。これまで相場の維持よりもシェア拡大を優先し、増産基調にあったOPECの大きな路線転換と言える。

 

・原油価格は2014年半ばまで高値圏にあったが、新興国経済の減速を背景に需要が低迷し、相場は急落した。原油価格は金融市場や株式市場への影響が大きく、行き過ぎた原油安は世界経済の大きなリスク要因となる。

 

・11月のOPEC総会で国別産出量を調整する方向だが、サウジとイランの根深い対立が懸念材料である。また、シェールオイル開発により米国がサウジとならぶ産油国となるなど、現在のOPECはかつてほどの価格決定力がなく、非OPEC産油国への目配りも必要となる。OPECは原油価格の安定に向け、世界有数の産油国であるロシアなど、諸外国との連携強化に努めなくてはならない。

 

 

 

 

☆単語メモ

  • 石油輸出国機構(OPEC)  - the Organization of Petroleum Exporting Countries
  • 原油   - crude oil 
  • OPEC合意   - OPEC accord
  • 原油を減産する    - curtail oil production
  • 供給量を抑える   - curb oil supply volume
  • 原油価格   - crude oil prices
  • (~の)低迷に歯止めをかける   - end sluggishness (in ...) 
  • (~の)乱高下   - wild fluctuations (in ...) 
  • OPEC原油生産量   - OPEC’s daily crude oil output 
  • 3324万バレル   - 33.24 million barrels
  • 3250万~3300万バレル   - between 32.5 million and 33.0 million barrels.
  • 相場の維持   - maintaining the price level
  • シェア(市場占有率)拡大   - the expansion of its market share 
  • 増産基調にある   - be aimed at increasing output 
  • (~の)大きな路線転換   - mark a major shift (in ...)
  • 1バレル=100ドル前後の高値圏にある   - be high at about $100 per barrel 
  • 急落する    - plummet
  • 26ドル台と12年ぶりの安値となる   - "Prices plunged to a 12-year low at the $26-plus level ..." 
  • 40ドル台で推移する   - hover at the $40-plus level
  • 原油安   - low crude oil prices 
  • 原油の消費国   - oil-consuming countries
  • ~にとってプラスとなる   - be advantageous to ... 
  • 産油国    - oil-producing nations
  • 財政悪化   - worsening fiscal conditions
  • オイルマネーの流出   - the flight of oil money
  • 年明け以降    - since the turn of the year
  • 行き過ぎた原油安   - excessively low crude prices 
  • 産油国と消費国   - oil-producing and oil-consuming countries 
  • OPECの盟主であるサウジ   - OPEC leader Saudi Arabia 
  • 大生産国のイラン   - Iran, a large oil producer
  • ~する意欲が強い   - have a strong desire to ... 
  • 大幅な減産   - a huge production cut 
  • 国別産出量   - production quotas for OPEC member nations
  • 政治的に鋭く対立する   - be sharply at odds with each other politically
  • 折り合う   - come to terms
  • 価格決定力   - the influential power to decide prices 
  • 非OPECの産油国   - non-OPEC oil-producing countries 
  • ~への目配り   - keep an eye on ... 
  • シェールオイル    - shale oil 
  • 岩盤に染み込んだ原油   - crude oil that has seeped into bedrock 
  • 高い採掘コスト   - high pumping costs 
  • 相場が持ち直せば    - If the prices recover
  • (シェールオイルの)供給量    - the shale oil supply volume 
  • (原油の)値崩れを招く   - cause a drop in (crude) prices
  • 世界有数の産油国であるロシア   - major producer Russia
  • 連携を強化する   - bolster cooperation with ...

 

 

 

 

☆今日の使える表現

 

・しっかりと足並みをそろえて~する   - keep in step with each other to ...

OPEC各国がしっかりと足並みをそろえ、原油相場の乱高下を防ぐことが重要だ。

It is essential that OPEC members keep in step with each other to prevent wild fluctuations in crude oil prices.

 

 

・(~の)動きが強まる   -  become more conspicuous

しかし、産油国の財政悪化などでオイルマネーが金融市場から流出する動きが強まっている

But due to factors including worsening fiscal conditions in oil-producing nations, the flight of oil money from financial markets has become more conspicuous.

 

 

・~と~の対立が根深い   - the deep-seated antagonism between

気がかりなのは、OPECの盟主であるサウジ、大生産国のイランの対立が根深いことだ。

The deep-seated antagonism between OPEC leader Saudi Arabia and Iran, a large oil producer, is concerning.

 

 

・~かどうか、予断を許さない   - It remains unpredictable whether ...

11月末の総会で国別産出量を調整する方向だが、政治的に鋭く対立する両国が折り合えるかどうか、予断を許さない

It remains unpredictable whether Saudi Arabia and Iran, which are sharply at odds with each other politically, will be able to come to terms.

 

 

 

 

☆OPECについて

当ブログには初めて登場したOPEC。

正式名称は、「石油輸出国機構(OPEC)」です。

学生時代に習った、テストに出た、という方も多いのではないでしょうか。

   

 

公式サイトはこちらです。

 

 

2016年10月時点の加盟国は、以下の14カ国です(上記サイト参照)。

アルジェリア、アンゴラ、エクアドル、ガボン、インドネシア、イラン、イラク、クウェート、リビア、ナイジェリア、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、ベネズエラ

 

 

 

OPECの設立された目的や経緯などについては、以下の外務省サイトをご参照ください。

石油輸出国機構(OPEC:Organization of the Petroleum Exporting Countries)の概要 | 外務省

 

 

 

ちなみに、OAPECという機構もありますが、こちらは「アラブ石油輸出国機構(Organization of the Arab Petroleum Exporting Countries)。

アラブ世界の産油国が、石油事業促進を目的として結成した国際機構ですので、お間違えなきように~。

 

 

 

 

☆関連記事

今回のOPEC減産合意に関して、関連記事をいくつかご紹介します。

 

まずは、「この機会に”OPEC”や”シェールオイル”について再確認したい!」という方へ、日本語記事をご紹介します。短めですが、簡潔でわかりやすいかと。 

 

 

 

また、社説の内容に関連した英文記事もいくつか貼っておきますね。 

(最近はすっかり「週末のレビュー」を書いてないですね^^;)

 

・Fortune(英語動画あり)

 

 

・Reuters(英語動画あり)

 

 

 

 

ところで!

 

動画をご覧になった方は気づかれたかもしれませんが、OPECの発音が…!

 

私は今まで、OPECは「オペック」と読んでいました。

 

英語でOPECについて語る機会もなかったので、とくに疑問も持たなかったのですが、英語読みだと、むしろ「オウペク」なのですね!

発音記号も、アメリカ英語発音では[ˈoʊpek] とのこと(参照)。

 

軽くショックでした…。

 

 

 

今回の原油減産合意に関しては、11月のOPEC総会で動きがあれば、ぜひフォローアップしたいと思います。

新聞各社様、社説の方、お待ちしております(対訳も!)^^

 

 

 

今日は以上です。

皆さん、良い一日をお過ごしくださいね。

 

 

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大隅良典 東工大栄誉教授、ノーベル生理学・医学賞受賞!

 

こんにちは。RIEです。

今日のテーマは、「大隅良典 東工大栄誉教授、ノーベル生理学・医学賞受賞」です。

 

 

皆さんご存知の通り、またおひとり、日本人ノーベル賞受賞者が誕生しました。

東京工業大学の大隅良典栄誉教授です。

 

植物や動物などの生物が細胞内で不要なたんぱく質を分解して再利用する「オートファジー(自食作用)」の仕組みを解明したということで、10月3日、ノーベル生理学・医学賞を授与されました。

 

この仕組みは、パーキンソン病やがんなどの病気に関わっていて、新たな創薬に道を開くものとのことです。

 

おめでとうございます!

そして、未来への希望をありがとうございます! 

 

 

 

こういう明るい話題の社説はいいですねえ♪

張り切って読んでいくことに致しましょう!

 

 

 

今日は読売新聞の社説からです。

読売新聞社のサイトでは、残念ながら、社説は一定期間(約二週間)後にリンク切れとなります。ご注意くださいね。

 

 

 

 ☆今日の社説

・読売新聞 2016年10月4日社説

 「ノーベル医学賞 生命が続く仕組み解明に栄誉」

 

 ・The Japan News (上記社説の英訳)

”Prof. Ohsumi honored for elucidating mechanism of organisms’ survival”

  

 

 

 * リンク切れになりました。

 

 

 

☆内容ポイント

 ・今年のノーベル生理学・医学賞が、大隅良典・東京工業大栄誉教授に贈られた。自然科学分野で3年連続の日本人の受賞となる。授賞理由は、「細胞自食作用(オートファジー)」の仕組みの発見。細胞の中で絶え間なく起きているたんぱく質のリサイクル現象を、遺伝子レベルから明らかにしたことが評価された。

 

・自食作用の仕組みの解明が、パーキンソン病やがんの治療にもつながる可能性があるといわれる。実現に向けて研究開発が加速することを期待したい。

 

・近年は日本人のノーベル賞受賞が相次いでいる。政府が過去に基礎科学を地道に支援したことの成果だろう。大隅氏は「基礎研究を見守ってくれる社会になってほしい」と語る。日本の論文発表数はこのところ低迷しているが、後進の研究者が独創的な分野に専念できる環境を充実させたい。

 

 

 

 

☆単語メモ

  • ノーベル生理学・医学賞   - the 2016 Nobel Prize in Physiology or Medicine
  • 大隅良典・東京工業大栄誉教授   - Yoshinori Ohsumi, an honorary professor at the Tokyo Institute of Technology
  • 解明する   - elucidate
  • 日本発の研究成果   - research results from Japan 
  • 世界に評価される   - be recognized by the world 
  • 生物が安定して生き続ける仕組み   - a mechanism of living organisms’ stable survival
  • 自然科学   - natural science
  • 基礎研究   - basic research 
  • 「細胞自食作用(オートファジー)」  - “autophagy,” a process of “self-eating” by cells
  • たんぱく質   - proteins
  • 細胞の中で絶え間なく起きているたんぱく質のリサイクル現象   - the phenomenon of proteins continuously recycled within cells
  • 遺伝子レベルから   - on a genetic level
  • 自食作用    - the autophagic process 
  • 栄養分   - nutrients
  • 特殊な膜が出現して   - a particular membrane emerges
  • 細胞組織   - cellular tissues 
  • アミノ酸   - amino acids
  • 生命の維持に不可欠な   - essential for the maintenance of life
  • 神経細胞   - nerve cells
  • 心臓の細胞   - cardiac cells
  • 止まることなく動き続ける   - continue working without ever stopping
  • 生命現象の基本原理   - the basic principle of a life phenomenon
  • 研究成果   - the fruit of research
  • ~の発症   - the onset of ... 
  • パーキンソン病   - Parkinson’s disease
  • がん細胞   - cancer cells 
  • 画期的な治療法   - a groundbreaking remedy
  • 動物細胞   - animal cells 
  • 「人がやらないことをやる」  - “I will do what others don’t want to do,” 
  • 独自の視点で   - from one’s original perspective 
  • 科学者の原点   - the starting point for a scientist
  • 日本人ノーベル賞受賞者   - Japanese Nobel Prize winners
  • 基礎科学   - fundamental science 
  • 地道な支援    - steady support
  • 10年、20年を経て   - over the passage of one or two decades
  • 結実する   - come to fruition 
  • ~を見守る   - keep watch over ...
  • 研究現場の活気    - the vitality at research labs
  • 日本の論文発表数    - the number of theses and dissertations announced by Japanese researchers
  • 低迷する   - hover at low levels
  • 独創的な分野   - one's original research field

 

 

 

 

☆今日の使える表現

 

・~が改めて示される   - demonstrate once again that ...

日本の基礎研究が国際的に最高水準にあることが、改めて示された

It has demonstrated once again that Japan’s basic research is at the world’s highest level.

 

 

・~を…に分解する   - decompose ~ into ...

・~を…に作り替える   - transform ~ into ...

一時的に細胞の栄養分が不足しても、特殊な膜が出現して、当面は不要な細胞組織やたんぱく質アミノ酸に分解し、生命の維持に不可欠なたんぱく質に作り替える

Should the cell temporarily run short of nutrients, a particular membrane emerges, decomposing cellular tissues and proteins nonessential for the time being into amino acids, and transforming them into proteins essential for the maintenance of life.

 

 

・~に挑む   - take on the challenge of ...ing

自食作用は20世紀半ばから、動物細胞で観察されていたが、解明に挑む研究者は少なかった。

Autophagy has been observed in animal cells since the middle of the 20th century, but few researchers took on the challenge of elucidating the mechanism.

 

 

・~の機会に恵まれる   - be blessed with the opportunity of ...ing

大隅氏は「基礎的な研究者も(ノーベル賞の)機会に恵まれる、と若い人が知ってくれたら、うれしい」と訴えた。

 Ohsumi said, “I feel happy if young people come to know that basic researchers are also blessed with the opportunity [of winning a Nobel Prize].” 

 

 

 

 

 

☆「オートファジー」について

大隅氏が研究されている「自食作用(オートファジー)」について、専門外の私でもわかるように説明されている(ここ重要…!)ウェブページを探してみました。

 

いくつか紹介しますので、ご興味ある方はご覧ください。

 

 

 

 

 

 

☆関連英語ニュース

関連の英語ニュースも貼っておきますね。

日本人として誇らしいですね^^

 

・CNN

 

・The Guardian


・Reuters (英語動画あり)


 

 

 

今日はとてもおめでたいニュースでしたね。

社説がいつもこうだといいのですが^^

 

 

 

個人的には、大隅氏が、基礎研究の重要性を繰り返し強調されていることがとくに印象に残りました。


 

 

以下、お言葉を引用させていただきます。

「“役に立つ”という言葉が、とても社会をダメにしていると思う。本当に役にたつのは、10年後か20年後か、あるいは100年後かもしれない。社会が将来を見据えて科学を一つの文化として認めてくれるようにならないかと強く願っている」

 

 

大隅氏のお話は科学についてでしたが、近年、高等教育においても、「就職に役に立たない」文学や歴史学などの人文学系は軽視されがちだと聞きます。

外国語教育においては、大学教員が担当するのではなく外部の民間機関にすべて委託してはどうか、という意見もあるとか。

 

実益優先、実学重視に偏りがちな昨今の風潮ですが、大隅氏の偉業が評価されたのをきっかけに、その姿勢が見直されることを願います。

 

 

 

今日は以上です。

皆さん、良い一日をお過ごしくださいね。

 

  

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